2011年12月11日日曜日

心理学は何の役に立つ?

「決定論的な」科学と「確率論的な」科学

決定論的な科学
物理学や科学のように、因果関係が必要条件や十分条件を構成するような、きちんとした現象を研究対象とするもの。例えば、一定の質量をもった2つの物体間の重力を増加させるためには、それら2つの物体をより近づけてやることが必要十分条件となる。

確率論的な科学
心理学や経済学のように、一般に原因とされるものが必要条件でも十分条件でもなく、完全に予期することが不可能であるような現象を研究対象とするもの


確率論的な科学を学ぶことの利点
決定論的な科学を教育するよりも、確率論的な科学を教育する方が有効である。
例えば、配偶者の死去は、残された夫や妻の健康をも損ねる原因となることが多い。しかし、残された夫や妻の誰もが健康障害を被るというわけではない。また、まったく別の原因によって健康を損ねることもある。つまり、配偶者に先立たれてしまうことは、健康を損ねることの必要条件でもなければ十分条件でもない。
同様に、容姿が優れている人は、一般に他人に好まれることが多い。しかし、美しい人誰もが人に好かれるわけではなく、容姿だけが他人に好かれるための条件であるわけでもない。

このように、ふだんの生活における現象というものは、確率論的な科学が研究対象としているような不確定性の現象なのである。言い換えると、統計学的な回帰や、標本の歪みや、統制群の重要性などが特に問題となってくる。

そこで、こうしたタイプの科学(確率論な科学:心理学や経済学)を学ぶことこそが、日常的なできごとを正しく評価するための心の習慣を育てるのに最適であると考えられるわけである。(T・ギロビッチ「人間この信じやすきもの」より)


【教訓】
確率論的科学の有用性。
心理学は、他人の心の中がわかるから役に立つのではなく、確率論的な複雑な世の中の事柄を正しく理解するための方略を与えてくれるから役に立つのである。

2011年12月8日木曜日

専門家が言うことは信じてよい?

(1)専門家と言われる人が、本当にその領域の専門家ではない場合がある。
(2)専門家の数は思ったより少ない。
(3)専門家にもよくわからないことが多い。そもそも、科学にはまだ解明できていないことの方が多い。

心理テストが専門の心理学者の数は多めに数えても100名程度、少なめに数えると両手で足りるくらいである。
村上宣究「最新コンピュータ診断性格テスト」日刊工業新聞社¥1,700


科学を学ぶことの利点
科学的な思考過程や科学的な概念に慣れ親しむ。科学者達は常にわからないことの壁にぶつかっている。科学について学べば学ぶほど、どんなことが「解明されていない」かがわかってきて、説明されていることの多くも、暫定的なものであることもわかってくる。こうしたことはどれも、物事がどうあるべきかという主張に対する健全な懐疑心を養うのに役立つ。こうした一般的知的警戒心、すなわち、謙虚になって、物事を本当に知ることの難しさに気づくことこそが、科学的研究に参加することの重要な利点なのである。
(T・ギロビッチ「人間この信じやすきもの」より)


【教訓】
専門家は疑ってかかれ。
専門家が本当にその分野の専門家とは限らない。
本当の専門家は少ない。
本当の専門家でも、わからないことの方が多い。

2011年12月7日水曜日

体臭恐怖を訴える患者の悩み

「この服似合う?」と聞かれて、「うわぁ、全然似合わない」と言えるだろうか?

社交辞令:大人のつきあいでは、本音は言わないということ。

うわさ話:直接本人に言えない反対意見や批判がうっ積するのを解消するための「抜け道」として使われる。

ディベート:人と意見とを分離して、物事を両面から考える習慣をつけるために有効なゲーム形式の討論。特定のテーマについて機械的に賛成派と反対派にわかれ討論した後、審判が勝ち負けを決める。

討論=本音を口にする、ではない。


【教訓】
疑問に思うことは子どもに聞け(例:おじさんの息くさい?)。
他人は面と向かって反論しないものである。
「逆の場合を考える」方略を用いる習慣をつける必要がある(ディベートの効用)。
ディベートをもっと教育に取り入れよう(でないと社会に出てから苦労する)。

2011年12月6日火曜日

テレビは常に正しい?

東スポやテレビのワイドショーは、事実よりもおもしろさを優先させている。

テレビ局の大株主は電力会社である。
「真実でなかったら、テレビで放送されるはずがない」
本当のことはテレビでは放送されない。

本当のことのすべてが放送されるわけではない。本当のことの一部だけを放送し、他を隠匿することはセーフ、と思っているフシもある。無知蒙昧な大衆どもにわからないことを言ってもしょうがない、我々が適切に選別してあげているのである、と思っている人が今だにいる。

原子力発電に関するウソ
False:原子力は石油に変わる未来のエネルギー
True:原子力で得られるエネルギーより使われるエネルギーの方が多い

False:原子力発電は安全
True:原子力発電の技術は未成熟

False:放射性廃棄物は安全に再処理される
True:「再処理」とは放射性物質の毒性を消すことではなく、さらに危険な物質を作ること

False:電力は不足している
True:電力は余っている

False:電力会社は公共企業であり、利潤が法律で決められている
True:電力会社は私企業であり、独占により莫大な利益を上げている

False:巨悪はマスコミが放っておかない
True:巨悪はマスコミを支配している

参考図書:広瀬隆「新版:危険な話」新潮文庫¥540
室田武「原発の経済学」朝日文庫¥600


話された嘘と話されない嘘:大学入学の事実がないのに、「明治大学中退」と言うこと。ヤミ献金を受けていても言わないこと。

誇張と省略:話をおもしろくしたり、わかりやすくするためには、誇張と省略が不可欠である。

世論調査:約3,000人の調査対象を無作為抽出しておこなう調査。統計的な理論によって3,000人について調べれば、最大で±2%以内の誤差で母比率が推定できることがわかっている(推定の精度を2倍にするためには調査対象の数を4倍にしなければならない)。


【教訓】
情報源をよく確かめよう。
事実を信じ、予測は疑え。
誇張と省略に目を光らせよう。
生の証言にだまされるな。
マスコミにだまされるな。

2011年12月5日月曜日

牛の糞は正義の味方?

猿蟹合戦で、猿をこらしめたのは、臼、蜂、栗、そして牛の糞である(良いお話にするための改作)。童話の原作を調べてみると、残酷な終わり方をしているものが多い。
「ピノキオ」における結末の改話など


【教訓】
人は「良い話」をしたがる。

2011年12月4日日曜日

ジンクピリチオン効果

「ジンクピリチオン配合」
虚心に、この言葉だけに耳を傾けなければならない。そしてそうすれば、あなたは必ず思うはずなのである。なんだか、すごそうだ。(中略)
ジンクピリチオン。この言葉から想起されることはまず第一に、何だそれ、ということである。次に、ややこしい名前だなあ、と思う。そしてついには、こんな舌をかみそうなものの名をあえて言うのだからきっとそれはすごいものなんだろう、と思うわけである。まさしく、あなたの判断は正しいわけである。それが何であるかということはわからないし、わからなくてもいい。しかし、そんなへんてこなものの名をどうしても言わなければならなかったその理由は、それがすごいものだからなのである。もう、これが配合してあると聞いてしまった以上、人は、よいものだ、と思うしかないのである。
ジンクピリチオン配合。そう聞いたら、へへーっと平身低頭して尊敬してしまうほかはない。(清水義範「インパクトの瞬間」:「永遠のジャック&ベティ」講談社文庫所蔵)


グライスの会話の公準:社会言語学者グライスが見いだした会話成立のための暗黙の前提のこと。以下の4点からなる。
(1)量の公準:必要な量の情報を与え、必要以上の情報を与えないこと
(2)質の公準:真実だけを話し、間違いや根拠の不十分なことを言わないこと
(3)関連性の公準:会話の目的に関連することだけを言うこと
(4)語法の公準:明瞭に話し、あいまいで冗漫な語法を避けること

一般意味論:言葉の正しい使用のために言葉の意味について論じた啓蒙運動
参考図書:ハヤカワ「思考と行動における言語」(原著第4版)大久保忠利訳 岩波書店¥2,000


【教訓】
暗黙の前提を悪用した表現に注意する。
地図は現地ではない。言葉は現実ではない。
私たちは、人づての情報に対して、十分に懐疑的であるべきである。

2011年12月3日土曜日

妊婦になると少子化が信じられなくなる?

こんなにまわりに妊婦がいるのに。。。きっと最近出生率はまた上がり始めたんだわ。。。

(1)行動範囲、行動時間帯が変わった
産婦人科やベビー服売場で多くの妊婦に出会うのは当たり前。妊婦はラッシュアワーを避け、身体に負担のかかりにくい時間や場所を選んで外出するため、妊婦が多く出歩く時間帯ができる。

(2)興味や関心が変わった
自分が妊娠することにより、妊婦への興味関心が高まった。以前は見過ごしていた他の妊婦の存在に気づきやすくなった。

総意誤認効果:ある種の信念がどの程度人々に共有されているかを推定する際に、そうした信念を自分自身が持っていると、その推定が過大になりがちなこと。

認知的不協和理論:現実と自分の考えとが不協和を起こすような事態では、自分の考えの方を現実に合わせて変化させてしまう傾向を人間は持っている。

自己中心的思考:もともとは発達心理学者のピアジェが言った言葉。子どもに特徴的であるが、子どもに限らず、誰でも物事を自己中心的に見てしまうものである。(利己主義とは違う概念である点に注意)

唯我論:意識を持った存在は、この世に私一人であるという考え。バカげた考えではあるが、厳密にはこの仮説を否定する客観的な方法は存在しない。

1956年のドン・シーガル(Siegel.D.)の恐怖映画「ボディスナッチャー(The Invasion of the Body Snatchers)」の中では、小さな町の住民が一人また一人と自由意志を持たない完全な複製人間に変えられていく。そしてその複製人間は、地球外からの力によって操られるかのようになってしまうのだった。
しかし、ある人が自由意志を持っていないということを知るにはどうすればよいのだろうか?反対に、別の人は意思の担い手であるということを知るにはどうすればよいのだろうか?映画の主人公を悩ましたこの問題は、認知科学者にとってはさらに重大な問題である。もちろん、外からの刺激にまったく反応しないことなど、人が意識の担い手として行動していないということの明らかな手がかりはたくさんある。しかしだからといって、こうした手がかりがどれも見られないというだけで意識があることが証明されるわけではない。
私とあなた以外のすべての人間は、火星から来た意識を持たないロボットであるかもしれない(もっとも、あなたについては私にはあまり確かではない)。(ジョンソン・レアード「心のシミュレーション」第19章より)


ジョハリの窓(Johari's Window)どれが本当の私?














【教訓】
自分の正しいと思う意見は、自分が思うほど世間には受け入れられていないものである。
人間は、自分中心に物事を考えがちである。
世界は、私だけのためにあるのではない。

2011年11月29日火曜日

あなたの運転マナーは平均以上?

大学教授の94%が、自分は同僚よりも有能であると考えている。大学教授とは有能な人ばかりの集まりなのか?

レイク・ウォービゴン効果:人間は、自分自身について過大評価しがちである。

基準の曖昧さ:物事を判断する基準は、1つだけではない。そこであらかじめ基準を1つに決めておかないと、正しい判断ができなくなる。

原因帰属:ある出来事の起こった原因についての認知。

原因帰属の4要素  個人外要因   個人内要因
コントロール可能  課題の困難さ  努力
コントロール不可能 運       能力

人は誰しも自分が重視する特質において、自分を高く評価する。注意深いドライバーは注意深さを重視し、運転技術に長けたドライバーは技術を重視する。そのどちらでもないドライバーは少なくとも自分は礼儀正しいと考え、マナーを重視する。
その結果、どのドライバーも自分は平均以上のよいドライバーであると評価することになる。
同じようにして、どの子どもにとっても、自分が飼っている犬が近所で一番いい犬であるということになるのである。(トーマス・シェリング)


【教訓】
「人間は自分自身について過大評価しがちである」ことを常に考慮する必要がある。
定義づけが曖昧な特性ほど、レイク・ウォービゴン効果が起こりやすい。
他人は外的要因を、自分は内的要因を重視しがちである。

2011年11月28日月曜日

風呂に入ると電話がかかってくる?

入浴中に限って電話がかかってくる。これは気のせい?それとも?

入浴中に電話がかかってこないケースとどちらが多いか。また、入浴していない時に電話がかかってくるケース、かかってこないケースと比較した場合は?

一面性の出来事と二面性の出来事:「電話がかかってくるかこないか」と「試合に勝つか負けるか」、後者のような二面性の出来事はどちらもニュースになりうる。

結果の非対称性:二面性の出来事であっても、結果に大きな違いがあれば、一面のみが注目されることになる。

マーフィーの法則:誤信を誤信とせず、むしろ目に見えない悪魔のいたずらと考えて、それに対する心構えを法則としてまとめたもの。


【教訓】
一面性の出来事は、「起こらなかったこと」に気づきにくい。
「起こらなかったことがある」ことに注意する。

2011年11月27日日曜日

ビタミンCを飲むと風邪をひかない?

ノーベル賞を2度も受賞(化学賞と平和賞)しているポーリング博士の主張

期待・先入観:物事を常識的に判断すること。「公文式と東大合格との関係はもっともだが、ゲームと東大合格との関係はこじつけだ」と考えたとしたら、それが先入観。

基準の曖昧さ:物事を判断する基準は、1つだけではない。あらかじめ基準を1つに決めておかないと、正しい判断ができなくなる。

鼻風邪は風邪?軽い頭痛は?下痢は?関節痛は?
風邪の症状の緩和はビタミンCの効果?風邪をひく回数の減少はビタミンCの効果?

物事を期待や先入観なしで見ることはできない。
期待や先入観を持つことは、人間の認知の利点。
(コンピュータにはこれができないから、バカだと言われる)


【教訓】
物事の良し悪しを決める基準はたくさんある。基準は厳密に決める。
判断基準はあらかじめ決めておく。基準を変えた場合はデータを取り直す。

2011年11月24日木曜日

東大目指すなら公文式?

ヤン坊は、公文式をやっていたら東大に合格した。うちの子も公文式をやらせたほうがよい?

(1)「公文式をやると東大に合格できる」という仮説を検証

2×2分割表  合格  不合格
公文式やる  ヤン坊 10万人 
やらない   ?人  90万人


(2)ヤン坊は、試験前にゲームやり放題だった
ゲームやり放題だったから、東大に合格したのかもしれない。
公文式をやって試験前にゲームもやったから、東大に合格したのかもしれない。
ヤン坊は実は土曜日の補習をサボって遊んでいた。土曜日にサボると東大に合格できるのかもしれない。
あるいは、公文式をやって、試験前にゲームをやって、土曜日にサボると東大に合格できるのかもしれない。
これを、上のような分割表にまとめることができる?

2×2分割表:関連する2つの事柄を、「田」型の表にまとめたもの。2つの事柄の真の関連性を調べるのに有効。

合致情報の過大評価:仮説に合致する情報だけが目につきやすく、記憶にも残りやすい。また思い出されやすい。

統制(対照)群:ある仮説が正しいことを検証するために、比較のために調べる調査対象。
欠損データ:仮説を正しく検証するには、データが足らないことが多い。


【教訓】
不完全で偏りのあるデータの誤解釈に気をつける。
2×2分割表を作ってみる。表の他の3つの部分はどうなっているんだろう?と考えてみる。
そうでない場合はどうなるかについて考えるクセをつける(否定語に注意を向ける)。
得られなかったデータがあることを忘れない。目につきにくい情報をしっかりと掘り起こしておく。

2011年11月23日水曜日

人間の直観はアテになる?

事前確率と事後確率

(1)3枚カード問題
「イベント発生前と後で確率が変化する事例」
表も裏も赤のカード(赤/赤)と、表も裏も白のカード(白/白)と、表と裏が赤と白のカード(赤/白)の3枚のカードがある。
この3枚の中から1枚を引き出してみたら「赤」だった。
このカードの裏も赤である確率は?

回答例:このカードは「赤/赤」か「赤/白」のどちらかだから、確率は1/2!

正解:裏も赤である確率は2/3。
1枚引いて赤だと判明した時点での確率を考える。引く前の確率で考えない。


(2)タクシー問題
「目撃者の証言はどれほどアテになるか?」
ある街でタクシーによるひき逃げ事故があった。その町には2つのタクシー会社があり、それぞれ緑色のタクシーと青色のタクシーを運行させている。
その町で走るタクシーの85%は緑色タクシーであり、15%は青色タクシーである。
事故の目撃者は、「ひき逃げしたのは青色タクシーだった」と証言した。
その時間帯のその場所でその目撃者の識別力を調べたところ、緑色タクシーと青色タクシーのそれぞれに対し、常にその80%は正しく識別できることが明らかであった。
さて、事故を起こしたタクシーが証言通り本当に青色タクシーであった確率はどのくらい?


(3)3囚人問題
「東大生でも50人に1人しか解けない問題」
「3囚人問題」と呼ばれる事後確率の計算問題がある。
これは、人間の直観的判断が誤答を導くような例としてLindley(1971)が紹介した問題を、市川・下條(1986)が一部改変したもので、事後確率の変更により、数学的規範解と人間の直観的判断との食い違いがいっそう顕著なものとなっている。

いま3人の死刑囚A、B、Cがそれぞれ独房につながれている。ある日そのうちの1人だけが恩赦で助かるが、あとの2人は明朝死刑になると伝えられた。恩赦になる確率はA、Bがそれぞれ1/4であり、Cだけは1/2だというのである。
Aは看守に尋ねた。「死刑になる囚人は2人いるわけだから、BかCのうちの1人を自分にこっそり明かしてくれても私には関係ないはずだからいいではないか」
看守はAの言い分ももっともだと納得し、しばらくして「Bは死ぬ」と言った。
さて、Aの助かる確率は看守の言葉を聞いた後どうなっただろうか?


【教訓】
人間の直観的な確率判断は誤りやすい。
確率は直観に反することが多いので気をつけよう。

人間は論理的な動物である?

4枚カード問題(正事例を探そうとする誤り)

「母音の裏には偶数が書かれていなければならない」というルールが守られているかどうかを調べるには、次の4枚のカードのうち、どの2枚をひっくり返せばよいか?

A B 6 7


【教訓】
「逆」は必ずしも「真」ではない。
具体的な事例で考える。

2011年11月16日水曜日

英才教育は効果あり?

ゴルフの中島常幸は、小さい頃からゴルフの英才教育を受けたのでトッププロになった。
英才教育がおこなわれていた旧京都師範付属小学校第二教室の卒業生には川喜田二郎、伊丹十三など優秀な人が多い。

ポストホック分析:分析のやり方をデータを見てから決めること

無作為抽出:統計的な分析のために使うデータ(サンプル=標本)を偏りのないように選ぶこと

英才教育:特殊な才能を伸ばすために、選抜された子ども達に、特別な教育をおこなうこと。多くの場合早期からなされることが多い。

数々の探検で死ななかった有名な探検家は、「簡単には死なない能力」を持っている?
それとも、たくさんの探検をしてもたまたま死ななかったから有名になった?
(初めの探検で死んでしまった有名な探検家とは?)


【教訓】
後付けでならば、どんな説明も可能。
標本抽出の歪みを、処置の効果と取り違えない。

2011年11月15日火曜日

強打者は足が遅い?

打力も走力も基本的には筋力であり、正の相関がありそうなのに、なぜ負の相関になるの?

同じく、入学試験も入学後の成績も同じような試験で測られているのに、なぜ入学試験の成績と入学後の成績が相関しないの?

相関関係:2つの事柄の間に関連があること

因果関係:2つの事柄の一方がもう一方の原因であること

偏相関係数:2つの事柄の関連の程度が、それぞれに相関する第三の事柄に影響を受けている時、その第三の事柄の影響を取り除いた場合の相関係数

(1)打力と走力が負の相関関係を持つわけ
<事実>打力と走力とは正の相関がある
しかし、プロ野球界で活躍している選手だけを考えると、打力+走力=一定以上、というような条件が働くため、標本に偏りができる

(2)入試成績と入学後の成績が相関しないわけ
<事実>入試成績と入学後の成績には相関がある
しかし、合格者だけを調査対象にしてしまうと、標本に偏りができる


【教訓】
相関関係を調べる時は、標本(データ)に偏りがないかに注意。
相関関係は因果関係ではない
(薬を飲んで病気が治っても、薬のせいで治ったとは限らない)。
第三の要因があることを忘れずに。

2011年11月14日月曜日

悪い子には叱った方が効果的?

登校時間が遅い子は、叱ることで登校時間が早くなる?
それとも叱ることや褒めることと、登校時間の遅い早いは無関係?

サイコロを振って、大きい目を出すことを目標とし、出た目が小さいと叱る、大きいと褒める、と置き換えてみる。

すると、サイコロの出目と賞罰(褒める叱る)が無関係なことに気づきやすい。
気力でサイコロを動かすことはできないことがわかりやすいから。

人間だってこれと同じ場合もある。
あなたが褒めようが叱ろうが、子どもの登校時間は早くも遅くもならないかも。
賞罰と登校時間には何の関係もないかもしれない。


【教訓】
叱ることの見かけの効果に惑わされない(何事にも回帰的部分がある)。
回帰のために起きた変動を、はたらきかけの結果と考える過ちに気をつける。

2011年11月11日金曜日

2年目のジンクス

プロ野球では、新人王をとった選手の翌年の成績は悪くなる、と信じられている。
また、Sports Illustratedの表紙を飾ると、(短期的に)成績を落とす、とも言われているが果たして?

回帰:2つの関連する事柄の一方からもう一方を予測する時、その予測値は平均に近いものとなる傾向があること。

1年目の成績が平均よりも飛び抜けて高いと、2年目の成績は下がる(平均に近づく)場合の方が多い。

ただし、必ず回帰するわけではない。前年の成績を維持、向上できる選手がいることもまた事実。とはいえ絶対数は少ないことから、ジンクスが生まれる。


【教訓】
極端な値のその後の予測は、(平均に近づくことが多いから)控えめにすべき。
統計的な回帰現象が起こりやすいかどうかを理解しておくべき。

2011年11月5日土曜日

ホットハンド現象

NBAでは、シュートが決まり出すとどんどん続けて決まると信じられている。いわゆるホットハンド(波に乗る)。これは本当だろうか?

連続するシュート間の相関を調べたところ相関は低い。シュートの成功または失敗が連続しているとは考えにくい。

シュートが決まる確率は、成功/失敗の二択なので、各回、常に、1/2。
前のシュートが決まったからといって、次のシュートの成功確率が高まるわけではない。


【教訓】
人間はどんなデータに対しても、ある種の規則性を見つけだしがちである。
人間はすでに持っている仮説や信念で、どんな結果でも説明づけてしまう能力を持っている。
サイコロの目は予測できない。ランダムな現象の予測はできない。
科学的な正しい判断のためには、統計的な検定が必要である。

2011年6月17日金曜日

購買プロセス

購買プロセス
認知 知名、理解
情動 好意、選好、確信
行動 購買、検索、サイト訪問、情報発信

購買行動とは企業への投票である


消費の変遷
差異から体感へ
差異・・・いばれる消費、名前だけでよかった
体感・・・優れた体感、使用感、満足感を得られないとダメ、名前だけじゃダメ

ただしやっぱり価格コンシャスな商材というのはあるので
その場合は安ければいいので、コストパフォーマンスで戦っていくことになる


情報氾濫社会
情報を消費するだけでお腹いっぱい
満腹になるから購買まで至らないのかも?


消費価値観の変容
安く賢く買うことが素晴らしいという価値観に
高級ブランドを人柱みたいに買うのは流行らないのかも?


価格コンシャス
以前は大量生産大量消費、いつかはクラウン

強い所有権がない、持たない消費

消費者の生活防衛意識の高まり、消費者心理の冷え込み
資源・エネルギー、BRICS、イスラム教、オバマ、高齢化、温暖化、金融危機、世界不況


ブランドジャパン
2010ランキング
ブランドジャパン企画委員会特別顧問 電通顧問
米プロフェット副会長 デビット・アーカー

ライフスタイル提案型 ハンズ、無印
機能をウリ ユニクロ、セブン

ブランドの「機能」を重視、機能性に価値を見いだす

昔 クラス感 クルマ、時計
今 際立った特徴を備えているか

高価格でなく高価値
Valueの定義はひと様々だろうが、ソーシャルな技術への触れ合いが若者では多いから、パナソニックよりは任天堂、Googleの方がランクが上になる


価格競争
価値や機能がはっきりしてるものに支払ってる部分は小さくて、わけのわからんものに払っている部分が大きい

価値が明確だと、市場での価格競争にさらされるため、取り分が小さくなる

役に立たないものでも魅力的であることがアピールできれば
満足感が得られるんだよと説得することができる
高くても買ってもらえる→利幅がでかくなる

金を出す人には高く売る
お金を使うことにステイタスを感じる
社会的責務を負っている、義務を感じている人には高く買ってもらう
(ノブレス・オブリージュ的な発想)


面倒がバリューに
面倒や手間をかけることがValueを生み出す

すごくたくさんある階段、部屋から露天風呂までの距離
風呂そのものでなく、途中経過も楽しめる
過程を楽しむ

そして面倒や手間をかけることが労働市場を作ることもある


ネット社会の息苦しさ
ネットで調べればすぐ分かる
ムダなことが許されない
息苦しい、ムダを楽しむことが許されない
(Twitterは140字制限のせいかちょっと許されてるような)


手作り志向
不景気だから時間があるではなく
IT化が進んだことにより余暇時間が生まれた、という面もあるかも

時間があるから娯楽産業が伸びやすい
でもお金がかかる
時間つぶしになり、役立つ実用的なもの
それなりにお金をかけただけの価値、使い道が生まれるもの
情報収集も含まれるからネット利用時間も増えるかも
エコ志向、手作り
マイマスク作りに走るのかな

(2009年9月、2010年3月4月5月10月メモ)

好きにさせる(広告の話)

気づかせる
好きになる(不快にさせない)きっかけを作る
好きを持続させる要素を積み重ねる
離反させない


6つのC
communications コミュニケーション
connectedness つながり
common experiences 共通体験
content コンテンツ
commerce コマース
cool experience 楽しめるもの


新規カテゴリー商品の拡販工程
アテンション、啓発
定着、習慣
リピート、ロイヤルユーザー化

商品カテゴリーを振り向かせる空気を醸成する
空気清浄機は昔ならまったく必要とされていなかったカテゴリー、ポカリスエットも。
なんだかものすごく大切なもの、重要なものなんだと消費者に認識させることで新しい市場を作り出したり、停滞した市場の拡大ができたりするのかも

ジャック・セゲラ(フランス人)の名言
広告とは事件を起こすことだ!

現状や現実や事実が変化しなくとも、
認識が変化すればビジネスになる(空気清浄機とか)

大きな進歩が起きにくい世の中、業界ならよりうまくはまるかも

(2009年4月、2010年1月3月10月12月メモ)

岡康道の苦言と広告業界の体質

岡康道の苦言
多くの人に好意を持ってもらいたい、嫌われたくない
嫌われそうな要素は最大限排除
すべての人からそこそこ受け入れられそうな仕上がりに
どこで見たことのある内容に落ち着く


広告業界の体質
AIDMA時代から広告業界は思考が硬直化している
サミュエル・ローランド・ホールが言ったのは1920年代
100年も変わっていない

フレッド・アレン(アメリカのコメディアン)いわく
99%の汗(パースピレーション)と1%のひらめき(インスピレーション)になぞらえて
広告は85%のConfusionと15%のコミッション


ジェフリー・J・フォックスの8つの広告禁止用語
私、私たち
他人の企業にわざわざ注意を払ってくれる顧客などいない。顧客は、自分のことを考えるのに精一杯である。私、私たちの代わりに、ブランド名か企業名を使おう。客観的なコピーを作るように心がけよう。

違い
「当社は違います」こんな見栄っ張りの宣伝をあちこちで見かける。え、違いは何かって?「違い」をアピールしたければ、きっちりと「違い」を説明すべきだろう。

ソリューション(解決策)
問題に対するソリューション以外に何を売るというのだろうか?広告では具体的な解決方法を伝えよう。例えばあなたの製品が水漏れのトラブルを解消するなら、「ドリップストップは水漏れを解消します」と言うべきである。そうすれば、顧客は自分に必要な製品かどうかを判断してくれるだろう。

クオリティ(品質)
お粗末であれ、高性能であれ、品質のない製品などあり得ない。品質を評価するのは顧客の仕事である。

テクノロジー(技術)
テクノロジーを活用していない製品などあるのだろうか?「ハイテク」などというものは存在せず、古い技術と新しい技術があるだけである。シンバルを作るためには300年来の技術が使われるし、ワインを造るためには1000年来の技術と最新の技術を組み合わせている。顧客がお金を払うのは、技術ではなく、技術から得られるものに対してである。仕組みを知らなくてもみんなが携帯電話やファックスを使っているのだ。

生涯(一生)
「生涯価値」「一生もの」が典型である。ハエと人間ではずいぶんと寿命が違うが、どちらの長さを意味しているのだろうか?お好きなように解釈してください。

本物
「これが本物です」が典型である。本物とは何だろうか?顧客が魅力を感じると思うのなら、もっと具体的に書くべきだろう。

最上級の形容詞
例:最高の、最善の、最も優れた、最適化した、最小化した、最も速い、最も明るいなど。中身のない形容詞ではなく、数字を使おう。事実とデータを使うのだ。事実こそが雄弁に語ってくれる。


ネット広告がクライアントに敬遠される理由トップ10
(アメリカの話、2006年時点)
1.ブランディングにならん
2.マスリーチじゃない
3.オフラインのセールスにつながらない
4.TVがプライマリー
5.TVの方が効果もインパクトもある
6.オンラインは若者だけだ
7.すでに自社サイトがあるのだよ
8.我々はセールスチャネルではないのだよ(マックの場合、FCが予算を持ってたりする)
9.所詮オンラインとオフラインは違うのだよ
10.単に好きじゃないから

代理店、clientのtraditionalな習慣を変えさせる
データがあると、代理店もお金を取ってきやすい
CPGはまだまだ低い 1$の広告費で何本のコーラが売れたか、という発想

過去の成功事例が、変化を起こさせない
以前は車を買うのにディーラーに5.5回は行ってた
いまや、情報はオンラインで。 ディーラーよりもカスタマーの方が賢くなっている

20%の時間をオンラインで消費し、5%のお金をオンラインで使う

(2006年4月、2009年7月10月、2010年1月10月メモ)

2011年5月30日月曜日

IT革命

IT革命
記憶容量
情報処理能力
伝送容量

これらのコストが劇的に安くなったことでIT革命となった

おかげで、大半のユーザーは無料、一部ユーザーのみ課金というモデルでもビジネスができるわけだが、このビジネスが成り立つためには、莫大なオーディエンスが集められることが大前提になっている

しかも課金って、供給者側の論理である。
オーディエンスからすればコストでしかない。

メーター方式・・・一定のPV以上のユーザーに課金




90年代のテクノロジー
ヒストリーチャンネル

1995年7月17日ジェフ・ベゾスがamazon.com開店
100万種類以上の書籍、45カ国以上に販売
初年度売上1500万$
99年ネバダ州の物流センターオープン 全長29kmのベルトコンベアー 毎秒24品目が出荷
アメリカ国内の物流センター現在27カ所


インターネット
1969年 4台のマシンを56kで接続
1990年 31万3千台

ティム・バーナーズ・リー(CERNで働いてた)
original web server
original web browser called World Wide Web
first web page

1991年8月6日wwwを一般公開

URL Uniform Resource Locator

現在のルーター
1秒に92テラバイトの情報伝送が可能(1969年の20億倍)

World Internet Usage
Asia 37%
Europe 27%
North America 19%(United States 70%)

2007年2月までにインターネットを使った人
10億人を突破


first search engine was Archie in 1990

1998年のGoogle(9月設立)
2500万ページが登録(現在は数十億ページ)

1googol=10^100

1998年暮れのGoogle検索数
1日1万件、2年後には1億件に


1996年
アメリカではEメールがコミュニケーションの手段として電話や郵便を上回る

ノートパソコンの原型
Osborne1 1981 $1800
ブラウン管12.7cm 50字×24行表示 画像表示不可
重さ11kg以上

PowerBook170 1991 $4600


スマフォ
IBM Simon 1993 $900

BlackBerry first available January 1999


AIBO
Artificial Intelligence Bot 相棒(pal)$2500
8MB(=72 color digital photos)
1999年6月 発売開始20分で3000匹が売り切れ
年末までに6万匹を製造、販売
20通りの動き方ができる

Tamagotchi
1997年アメリカで爆発的人気
ピーク時には世界で4000万個販売

Furby 35$
1998年発売
よく聞こえる言葉を真似するという誤解が生まれた

1999年1月13日、National Security Agencyはファービー持ち込みを禁止
90年終わりまでに1500万個売れた
電動モーター1個で動く設計
MPUはアポロ計画の宇宙船の4倍


George Foreman GRILL
1995年発売 $39
Salton社
12年で9000万個販売 売上50億$

DVD
1995年12月発売
Spiral track of data=7.5miles(12km)

TiVo Digital Video Recorder
1999年3月
2000年末までにアメリカの15万世帯に普及
現在100万世帯以上
初期14GB 1つの番組だけで14時間保存
現在 2つの番組300時間保存


Dycam Model 1 1990 $995
白黒32枚分の写真 9万画素 保存カードなし

Apple QuickTake 100 1994 $749
カラー 30万画素 フラッシュメモリー(最大解像で8枚)

Casio QV-10 1995 $1000


DBS
1994年衛星放送がデジタル化
契約者100万人
90年代終わりで800万人、現在1600万人


1991年1月17日 砂漠の嵐作戦
GPSの軍事的実用性が確認

1972年国防総省がGPS開発に着手

1995年7月17日140億$かけたGPSすべて運用が可能
常に最低でも24機の衛星が上空2万kmで同じ軌道を回る
個々の衛星は1日に地球を2周
少なくとも6機が地球上のほぼどこからでも見られるように6つの軌道に等しく分布

最低3機までの距離を測定(三点測量)

90年代、一般向けのGPSには故意に誤差データを加えていた
位置は100m範囲でしかわからなかった

2000年5月クリントンがその誤差を解除することを決定
GPSの表示は3m以内に


HUMMER H1 1992 $70,000
H2 2003 $55,000
H3 2006 $31,000

2007年9月25日 HALO3発売
アメリカだけで初日売上1億7千万$

1992年5月5日id社Wolfenstein 3D
一人称視点シュートゲーム
1993年発売DOOM
初期使用を無償
2年のうちに世界中で1000万人以上がダウンロード

1994年12月3日Play Station発売 $299
25% of U.S. householed have a PlayStation.


直近のインターネット年表
97年 Googleサービス開始 02年には世界一
99年 iモード
00年 カメラ付き携帯発売、01年夏に「写メール」のサービス名称
00年 Craigslist拡大
00-01年 ITバブル
01年 Yahoo!BBパラソル部隊
01年 Wikipedia
02-03年 ブログ
04年 mixi、GREE
05年12月 YouTube
06年 モバゲー、Facebook、Twitter
07年 iPhone
07年5月 Yahoo!JAPANがPVで世界一
(2009年9月、2010年7月メモ)




ビジネスハック(交渉学)

ミーティングのありかた
定例
○事前に用意したタイムテーブルに沿って

意思決定
○判断項目と基準を事前に決める
×発表者の言いたいことと決定者の知りたいことが違う

レビュー
○議論を2回に分ける 自由に討論→たたき台作成→加筆修正、そもそも論が出にくくなる
×たたき台の揚げ足をとって終わり


コンセプト
気持ちよく仕事できる変化なら、受け入れてもらいやすい(わらしべ長者)
わかりやすいコンセプト、わかりやすい特徴は伝播させやすい
できることをなんでもやる、詰め込むことが優れている、とは思わない
コンセプトを大事に、ということだ
担当者の結論のロジックに、会議の参加者が納得できるかどうか、だ


交渉学
交渉シナリオ準備に必要なもの

1)MISSION
交渉で何を実現したいのか、合意したいのかを決める
○円で買ってもらう、できるだけたくさんに、ではダメ
新商品を買ってもらい、○○することで、○○を創造し、○○な関係を築く

2)ZOPA
Zone of Possible Agreement
交渉は最高と最低の間の「幅」でおこなう、点ではない

3)BANTA
Best Alternative to a Negotiated Agreement
合意できない場合のオプションを決める→気持ちに余裕が生まれる
バックアッププラン、オプション、リスクマネジメント

交渉の成功確率を上げる科学的な方法論がある


exit戦略
終わりは始まり
終わり方は戦略

相反するのが、終わりに美しさを求める
有終の美、散り際の美学


戦略と戦術は違う
Strategy 戦略
Tactics 戦術


知識
知識
見識 知識+自分の意見、考え
胆識 見識+決断力、断行力

情報量
少   多
断行  実行
決断  決定

上ほどアクションしてる


MOST
Mission 使命
Objective 目的
Strategic 戦略
Tactics 戦術


ABC
A 当たり前のことを
B バカにせずに
C ちゃんとやる


NIH症候群
Not Invented Home Syndrome
自社技術に固執してしまう
ISDNとかMUSE(ハイビジョンテレビ)とか


Speed社のレーザーレーサーの話
Frameworkという考え方
目的、背景、戦略(方法:開発、ネゴシエーション)、ゴール(目標)

わからないことは忙しい人に聞け!


各プロセスでの減衰を意識する
10袋の小麦を手に入れたい←30袋を収穫しないといけない←90袋分を育てないといけない←270袋分の種を蒔かないといけない

(2008年6月、2009年7月11月、2010年4月8月10月メモ)

ケータイネットワーク

インターネット
ネットワークの相互接続によるオープンなネットワーク

ケータイネットワーク
通信事業者が末端に至るまで品質に責任を持って管理する閉じたネットワーク
→安心感


モバイル端末の世界的普及状況
(2007年1月時点)
モバイル 27億台
クルマ 8億
パソコン 8.5億
有線固定電話 13億
クレジットカード 14億枚
テレビ 15億台

(2007年12月、2010年8月メモ)

旧日本軍の降伏否定思想・主義

天皇君主制度
国民は君主に尽くす臣民である
危機存亡時は、臣民の命は消耗品である
⇔米国の民主制政体

物理的劣勢
→滅私奉公(玉砕)の美化、自己犠牲精神

観念論的精神主義
カミカゼ日本、なんとかなる

間違っていたら修正する、負けたら降伏する、という発想にはなりにくい

攘夷、という排外主義的な思考停止

平和主義、という思考停止になっているだけ

攘夷思想も旧軍国主義体制も崩壊したが、
観念論的精神主義は今も心の底に残っているのかも

少数の犠牲か多数の犠牲かの二者択一

判断麻痺に陥る(憲法、基地、原発についても)


35年前の日露戦争の思い出が強すぎる
当時子どもだった人たちがちょうど指揮する年齢だった

国力10倍以上のロシアに勝ったじゃないか、アメリカにも勝てるだろう
短期決戦なら勝てる(防衛費を特別会計で一気に用意してた)
満州での鉄鉱石などの生産量は1944年頃がピーク→まだまだいける(終われなかった)

一方で民衆には厭世観も
勝っても負けてもどうせ何も変わらない、はやくアメリカに負けて戦争が終わればいいのに

軍人死者は230万人、
民間死者は50万人(広島14万、長崎7万、東京10万)大半は1944年以降の死者


中国では、自分たちだけでは日本に勝てない、長期化させてアメリカやソ連を巻き込まないと、という考え方もあった
(2010年8月メモ)

マイケル・サンデルによる功利主義

電車がまっすぐ行ったら5人死ぬ
右にハンドル切れば1人死ぬ

橋の上の男性
押せば5人→1人ですむ

多くの人を救った方がいい
無実の人を殺すのはいかんだろう

この相反する原則に板挟みになる

功利主義の系譜→原理主義対立概念、リバタリアニズム
最大多数の最大幸福    個人主義、自由原則


功利主義
utilitarianism
功利主義が用いる判定基準は、社会の構成員が享受する幸せの大きさを合算した値
この値が最大化される社会がもっとも望ましい社会
だから、最大幸福原理、5人→1人という発想になる

功利主義の魅力
〜人間中心の思想
功利主義が大切にするものは、生身の人間の幸福だけ
「民族の栄光」も「世界精神の実現」も「超人の誕生」も
功利主義のあずかり知らぬ世界の話
〜平等の思想の基準
最大幸福原理は、富める者も貧しき者も、賢き者も愚かなる者も
すべて同じ一人としてカウント
ベンサム談、すべての者を一人として数え、誰も一人以上に数えてはならない
〜自由主義に立脚
人々が幸福を感じる対象の価値に序列をもうけない
何に幸福を感じるかは一人一人が自由に決めること、他人がとやかく言うことでない

功利主義の弱点
最大幸福原理を機械的に用いると、理不尽な権利侵害が許容されてしまう
異なる人間の幸福の大きさを比較することの難しさ
(2010年8月メモ)

アメリカとネット

Gartner Predicts 2010
米ITリサーチ大手ガートナーが毎年発表

1)2014年までに、30億を超える世界の成人人口がモバイルテクノロジーや
インターネットテクノロジーを通じて電子商取引を実行できるようになる

2)2013年末までに、全世界を通じ携帯電話がパソコンに代わって
インターネットアクセスのもっとも一般的なデバイスになる
ケータイ(スマホ込み)18億2000万台
PC17億8000万台

3)2015年までに、web環境における検索エンジンの役割と同様に、
モバイル環境のコンシューマーサービスと関係性にとって、
コンテキスト(文脈)が重要な役割を果たすようになる
位置情報だったり、検索ワード「だけ」では足りない

4)2012年までに、facebookがソーシャルネットワークの統合と、
webのソーシャル化(社会化)のハブとしての役割を担う
様々なソーシャルネットワークが連携する
みんながfacebookである必要はない

5)2015年までに、インターネットマーケティングの規制が進み、
2500億ドルに上る全世界のインターネットマーケティング支出が抑制される

6)2012年までに、IT資産を自社で保有しない企業の割合は20%に達する

7)2012年までに、市場をリードするクラウドアグリゲーターの中で
インドを中心とするITサービス企業の占める割合は20%に達する

8)2014年までに、ほとんどのITビジネスケースにCO2対策コストが
含まれるようになる

9)2012年、新しいパソコンの有効寿命全体を通じた温室効果ガス排出の
60%は、ユーザーが初めて電源を入れる前の段階で発生する


Hulu
テレビ局が認める公式映像配信サイト
2009年度売上1億ドル

カイラーCEOが2008年NABショーにて、
待っていても人は集まってこない
インターネットの無限のコンテンツを使って
我々の方から視聴者にインパルスを与えるべきだ

リール会長、全米局の元親玉(?)
もうすでに世の中は変わってしまった
後ろのドアは閉まった、
しかし我々にはもう一つのドアが開いている


Boxee
2009年CES米国家電見本市で賞を取った

パソコンにインストールすると、パソコンがケーブルテレビやIPTVのSTBに早変わり
ケーブル会社と契約しないですむ
インターネット回線でケーブルテレビが見られる

HuluはBoxeeへの配信を拒絶
でも、各局(4大ネット局、専門局)がBoxeeに供給することは止められない

2010年4月のNABショー
全米放送協会の年次集会
ブロードキャスティングからブローダーキャスティングへ
今以上に、多重で放送していくことを念頭に置いてビジネスを考える


メジャーリーグ
ネットとテレビの両方でスポーツ中継を視聴できるユーザーは高品質映像のテレビを選択する(アメリカの場合)
→スポーツ中継ではネットとテレビはカニバライズしない

ブラックアウトルール
ローカルテレビで視聴可能なエリアではネット中継を遮断している。ボストンでレッドソックスの試合をネットで見ようとすると画面が黒く塗りつぶされる

(2007年12月、2010年7月10月メモ)

世代と世代

2020年の若者
ネットワークに常時接続されている環境が10代の若者やGeneration Yの20代にどんな影響を及ぼすか?

2020年には若者は
・気が散りやすく
・物事を熟慮する能力に欠け
・すぐに得られる満足感ばかりを求めるようになっている

Pew Research Center(米非営利調査機関)がIT関係者、批評家、学生など6,021人に聴取、回答者の42%が上記のように回答


2020年の若者に必要な能力
・協力して問題を解決する能力
・オンラインで効率的に情報を検索する能力
・情報の質を見極める能力

何かを読み、それについて何時間も熟慮する能力は大半の人にとって重要性が大きく低下するかも

ただし自分の考えなのか、利用しているツールのせいでそう感じたり考えたりするのかを見極めないといけない



いまどきワード
みんな
ちょい
〜しよう

上から目線
過剰に盛る
ひとりよがり
 これらは嫌われる、ただし、あえてそう言ってることが明確であればセーフ




いまどきのフツウ
ふつう=最高、非常に、の意味

上昇志向はない
下降することへの不安感は常時ある(下がりたくない)
ふつうを維持するだけでもすごい
益若つばさがオピニオンリーダー足り得る
一発屋はしっくりこない


いまどきの人
嫉妬を受けたくない
負けたくない
嫌われたくない
ただし、いずれも自分の身近な人に対して。世間一般に対しては気にしてない


いまどきの若者1
白黒をはっきりさせすぎる(二元論に走りやすいかも)
自分に自信が持てない
すぐに結果を求める
自分の考えや感情を言葉にするのが弱い
キレやすく落ち込みやすい


いまどきの若者2
ほぼ日より
自己承認欲求だけでなく、負けたくない欲求

やたら褒め合う、かっこいい/カワイイ、先に褒めておけば自分も褒めてもらえる
そしたら少なくとも負けない


いまどきの若者3
失敗を恐れるキモチ
基本的に言われたことだけしていればよい
言われないからやらない
余計なことをやって失敗するぐらいなら、やらない方がいい


GenerationY
GenerationXの次の世代
他人がいいと思うものを買いたい(=他人に後ろ指を指されるようなものは買いたくない)
他人の嫉妬を受けたくない?

環境に気を使っている、というよりは環境にやさしくないと思われたくないから、環境にやさしい商品を買う、環境のことを気にする(のかもしれない)

嫉妬を向けられにくいように、言い訳(環境もそう)を用意してある商品の方が買いやすい、売れやすいのでは?訳あり商品が売れるのもそういうことかも?


打たれ弱い若者
周囲にチヤホヤされ挫折することも傷つく経験もあまり積んでこなかった
自分が中心で周りが自分に合わせてくれる
自己万能感を持ったまま大人になってしまった人が

社会に出てからは自分の思い通りにいかない、
傷つき折り合いをつけていかないといけない
そうやって社会に適応していく

地域、家庭、会社といった共同体の崩壊
子どもの頃から自己万能感を傷つける体験をしていない、環境がない

現実世界の豊潤化→人間の幼稚化、動物化 by東浩紀

中国の小皇帝、一人っ子政策
非常に自意識の強い若者→集団で行動できない


若者の志向、思考
モバイル志向、思考
検索志向、思考
PCリテラシーの低さ





マスメディアがなくなる
万人共通の話題、テーマがなくなる
ワールドカップ、オリンピックくらいのビッグイベント、
マクドナルド、スタバなどのビッグブランドじゃないと共通話題になりにくい

万人共通の話題がなくなるというのは恐怖かもしれない、たいていの現代人はマスメディア以前を知らないので

とはいえ、もともと世の中はそういう社会だった
昔と違うのは、
イエ(家族)、ムラ(地域)、学校・職場だけでなく
ひいきの役者、好みの芸人、タレント、スポーツチームについて
ネット上の面識のない人ともつながりやすい、コミュニティを形成しやすい
セミブランドつながり、セミイベントつながり

知ってる人と知らない人の格差、温度感の違いが大きくなってくる
へえ、そういうことあったんだー
なんであんなに盛り上がったのに知らないの?

ドラえもん最終回が10年遅れでtwitter上で話題になる感じ

伝える力がないと、この温度感はうまく伝播しきれない
ホントに理解、共通認識はできない

ただし、ホントに理解することを大事なことと思わない人も多い
自分の身の回りだけで通じる言語、文化、慣習があればいい

何も全然知らない人、共通認識のない人(社会、世間)とがんばって、無理してコミュニケーションをとる必要性がない、疲れるだけ
低燃費でエコでクールな人々

世界が狭いと思わないのか?気づいていないのか?大事と思えないのか?

海外への関心が薄いのはそういうことかも?
ところが一方でGoogle音声翻訳みたいに、テクノロジーがそのうち解決してくれるんだから
なにもがんばって英語習得する必要はない、今がんばったって疲れるだけじゃん、と思ってるかもしれない

さらに、世代間での主要メディアが異なる

新聞(老人)、PC、ケータイ(若者)
ますます共通理解が難しくなる

ネットが共通理解の促進にも役立つし、検索バカによる理解力の不足が阻害してるようにも思える。。。









島宇宙
宮台真司

消費者は、大衆というひとかたまりでなく、複数の島宇宙化している
で、それぞれの島宇宙には小リーダーがいて、口コミの発信元になっている
で、ひとつの島宇宙だけ、1クラスターだけを狙うマーケティングが必要になってくる

なぜなら、複数の島宇宙を串刺しで切る価値観は、社会貢献ぐらいしかない
あるいは「正しさ」とか。なのでマイケル・サンデルがちやほやされる

島宇宙では、連帯を壊さない「空気」が大事
狭い意味での世間にあたる


レレバンシー
マッキャンいうところの、自分にとっての関連性、重要性

自分の生活の身近なところに入り込んだ、自分達に関心のあるメッセージでないと
(今のor若い)消費者は関心を持たない

逆に言うと、他人事と思われると無視される(ネガ印象持たれるよりも性質が悪いかも)

ご近所さんはみんな買いましたよという説得は効きにくいかも
空気(自分の周り)しか見てない、世間(社会)は自分に無関係と思ってるから

だからこそ、見えている相手としか話をしない
後ろにいる普遍的な「人」という概念がない、そういう発想がない


鴻上尚史

世間との対話
 バックグラウンドを共有
 意思疎通・理解がしやすい

社会との対話
何の前知識も共有バックグラウンドもない
大変


新聞を読まない
書いてあることが理解できない
そもそも自分の外界(近しい人)以外に関心がない?持たない?持てない?

世間には関心があるが、社会には関心がない?
空気は読まないといけない
世間(自分と関係のある人、こと) 社会(無関係な人、こと)

社会、は自分に関係あることと思っていない、身近(世間)なことととらえていない。
無力感、あきらめ、90年代的世相観、not高度経済成長の申し子
(あの1995年にものごころついてたかどうかが分岐点になりそうだが)

興味関心が薄い分野については、無難、定番なものに落ち着くのでは?
定型・定番=興味関心の薄さかも?
逆に、興味関心のある分野へのこだわりは異常に強い?
情報化社会、IT化、ネット発達、みんな理系化している?

60〜80年代に突飛なものがいろいろ生まれたのは、バブルだから、高度経済成長だからでなく、IT化が進んでいなかったから?





世代変化
若者の○○離れ→○○の若者離れ
世代的変化、時代環境のせいと位置づけてしまうと思考停止してしまう

例えば若者の海外旅行離れ
海外旅行の有意義さが伝わっていない
現地の情報だけならネットで事足りる

実物に触れること、自ら体験することのすばらしさ・意義を説得したうえでないと喰い付きが悪いのでは

あるいは単に単価が高いから国内でいいやなのかもしれない
(だったら国内旅行を売ればいい)

あるいは現世利益的な考えなのかも、先が見えにくい時代だからこそ目先のベネフィットを求めやすいとか


ロスジェネ世代
35歳前後(2010年時点)の特徴、超氷河期世代
個人主義的性向を持つ
新たな価値を創出、獲得することに貪欲
既存の権威には懐疑的ながらも
自己の権利は主張し
脱物質的でもあり自然志向的


デジタル世代の区分
デジタルネイティブ 〜20代 ネットはあって当たり前、空気のようなもの
デジタルイミグラント 30〜40代 大学社会人あたりでネットを黒船襲来のように受け止めた世代
デジタルシルバー 50代〜 好奇心旺盛な人たちかも


旧来型4マスとネット
3タイプのユーザ(2007年時点)
1)4マスが基本、ネットはほぼ到達していない
(そもそも利用していない、利用する必然性を感じていない)
年配、超高年層に多いが、他の年代にも微量存在。そもそもネットの利便性が伝わっていない。従来メディアでないとリーチできない。

2)4マスは減り、ネットへシフト
20〜30代に多い。ネット人口が多い層の人たち。

3)もともと4マスとネットがフラットな関係
10代に多い。ネットはあって当たり前の世代。「4マス」という表現自体が理解しがたい


ライフステージとネット
子どもがいないとネットから、子どもができるとテレビや新聞(受動的に情報入手しやすいメディア)が主体になるか、むしろ情報入手しなくなる。
逆に言えば、有職子どもいない層や主婦でも子どもいない層にはネットが効きやすそう。

新聞を取っていないので、とわざわざ記述する心理。新聞代をケチっていると思われたくないのか?新聞を取っていないことが恥ずかしい、後ろめたい、民度が低い、教養に欠けると思われるかもしれないのが嫌だから?

ライフステージの変化がネット利用時間帯の変化をもたらすらしい。
未婚→既婚、子どもなし→子どもあり

子どもなし
ネットにどっぷり浸かる。昼間も時間あるからたっぷり見る。働いてないとさらに顕著。

子どもあり
ややネット依存度が控えめに。ただし、寝付いた子どもを起こさないようにひっそりと楽しむメディア。自分だけのメディアとして使い勝手がよい。
その時間帯は、子どもの寝た夜か、幼稚園に行ってる昼間か、そこは家庭により(子どもの学齢により)様々。



(2006年9月、2007年7月8月、2008年6月11月、2009年6月10月、2010年2月3月7月8月9月10月、2011年5月、2012年3月メモ)


2011年5月20日金曜日

日本認知心理学会

同情 第三者としての立場を取る、する人は、される人よりも心理的に優位
他人が苦しんでいたり、悲しんでいることに気づいた
結果として生まれる気遣いや哀れみの感情(米国心理学会の定義)

共感 相手の立場で考え、相手の内面に寄り添う、する人される人が心理的に対等

他人の枠組みで、他人の思考や感情を理解し、
その人に変わって自分もその心理的な状態を体験すること


sympathy sym- 先に、同時に
empathy em- 〜の中へ


感情が記憶に及ぼす影響
感情価 強い(ポジ、ネガ両方)>ニュートラル
覚醒度 高い>低い

接触直後 接触エピソードを元に判断
時間経過後 要約的な知識ベースで判断


ウェブ利用時の心理状態
安心、納得したい 内面的探索 ファッション 自分自身のことを知りたがる人
他者とつながりたい 他者欲求 趣味 他者を信頼してる人
(2010年5月メモ)

レコメンドとセレンディピティ

心地よいレコメンド
デモグラがあっている
さりげない提案
適度な情報量
発見、気づき、「へえ」がある
配慮されてる、排除してある
オススメの理由がわかる、気づきやすい


不快なレコメンド
デモグラ属性を無視している
押し付けがましい
過剰な情報量(同じ商品が何度も表示されるなど)
目新しさがない
お悩み、デリケートな商材が配慮なく表示される
オススメの理由が見えない

レコメンドが潜在需要を掘り起こす
セレンディピティーを生む


情報提供の仕方
一見不要と思える情報でも
ちゃんとあなたの益になることがありますよと情報を届けること、
そして転化させることが媒体社の責務なのだろう

ただし、ホントに不要な情報では気に入ってもらえない、気が利かないと思われるのでレコメンドという形を取る(裏側ではデータ解析やモデリングをしている)


セレンディピティは作れる
Googleエリック・シュミットいわく
新聞の魅力に、おもしろい情報を思いがけず得られるセレンディピティがあるが、今はそうした情報を計画的に提供することが可能
実際、電子的に実現可能

セレンディピティは完全に偶然の副産物ではなく、本人が無自覚的に温まっていないと発生しない。なので、技術的にできちゃう、ということであろう


serendipity
セレンディップの三人の王子たち、というおとぎ話に感動した18世紀のイギリスの作家、
ホレス・ウォルポールによって発案された造語

(2009年10月、2010年5月6月メモ)

情報とデータ

データ
可視化、数値化、モデル化
どの指標でどうアピールするか?
データの使いやすさ、信憑性、取りやすさ

information 情報=意味のあるデータ
data 情報の表現、伝達、解釈、処理などに適するように形式化、符号化されたもの
または再度情報として解釈できるもの、与件、所与とも

ラテン語、イタリア語のdare(与える)が語源
情報を生み出すための素材
データの中の問題解決に役立つ材料のみを情報と呼ぶ
データを受け取った人あるいはその人の状況によって、
データがデータのままで終わるか、あるいは情報になるか変化する
データは情報に変換しないといけない


データは大事
数字は大事、データも大事、でももっと大事なのは、
数字そのものよりもその数字の裏側で何が起きているのかを考える
メカニズムを考える
データには伝える側の意図が含まれている。見抜くセンスを磨かないと。

起きていることの理由や、仮説の裏付けをとるために、言いたいことの委曲を尽くすためにデータを好む、という場合もある


データの客観性
北島選手の平井コーチ
ビデオの映像(客観データ)
選手の感覚
コーチの指示
これらがシンクロするとパフォーマンスがアップしやすい

データは今この瞬間のことが分かるだけ
選手の可能性、のびしろはわからない
データをデジタルのまま選手に伝えない、アナログ情報で伝える


データの確からしさ
回収数よりも回収率
サンプル数が多くなると、サンプル抽出のランダム性があまり気にならなくなるというトリック


自動と人力
自動的 科学的
人力 非科学的 と思いやすい


データの見誤り方
単品データは、実績は分かるが、良かった悪かったの判断しようがない
Control Groupがないと見誤る
加えて、全体とも比較しないと二重に見誤る


大量サンプルの過ち
1936年のアメリカ大統領選挙
リテラシー・ダイジェスト
1,000万人に調査票送付、237万人の回答を得る
共和党ランドンと予想、ハズレて、会社つぶれる

ギャラップ
3,000人(2,000とも)のデータ
ルーズベルトと予想、アタり、現在に


分析とは
データからノイズを取り除き、シグナルを見つけることだ
ノイズ 誤差、計測誤差、個人誤差
シグナル 本来の意味ある価値、真の要因、変数、原因

安全 客観的
安心 主観的


時代感
○○%
明治チョコレート効果カカオ86%とか、ワンダショット&ショット69%とか
なんとか○○%って、オレンジ100%みたいで健康感が漂ってて新鮮そうとか
数字で語っててほんとっぽいとか好意的に受け止められやすいのだろうか?

(2006年9月、2009年2月6月10月、2010年3月4月メモ)

ルターの宗教改革

教会 信徒と神の間に介在
司祭 神からの信託を請け負う
これを否定し、万人が司祭になり、神と直接向き合うことを目指した

伝統的な身分制度に依拠する中世社会を根本から変動させる

司祭によって魂を救済してもらう、ただ神の意志に沿って生きる

個人が自己の救済を確保、個人の労働、業績、知識、信念、すべての価値を否定

神以外の現世の事物はすべてむなしい
現世に価値を与えるのは、被造物を神の地位に高めることだ

禁欲によって生活を合理化
与えられたことを使命とみなす
神の栄光を高めることを目指した

労働そのものに価値があるわけではなく、労働することで結果として生まれる禁欲的な生活に価値が認められる

中世の修道院でおこなわれた禁欲が市民生活に持ち込まれたようなもの

禁欲的に労働し、消費を贅沢とみなし、生産に投資する、と
富が蓄積される
神に向かおうとする精神を腐食
信仰篤く熱心に働き、節制すると、豊かになり、信仰心が薄れる、宗教心が薄れる
労働が聖なるもの、好ましいものとなる、これが近代的精神

資本主義原理の市民社会の発達もあり
貨幣価値社会
労働=金
金がない人=働かない人=ダメだ!劣ってる!とみなされる

労働しないものは怠惰だ
神の恵みを得られないのだ

働かないものは監禁施設へ 強制的に働かされる
神(社会)に反抗するもの
労働によって社会に貢献しないもの
怠惰で不道徳
悪に染まった者 と感じる感性が社会に浸透する
(2010年4月メモ)

平均のメリット

平均のメリット
すべての分布に常に存在する
唯一無二の値である
計算が簡単
(正しそうという誤解の元で)すべてのデータを用いる
意味が明確、わかりやすい
高度の統計計算に必要

デメリット
例外値の影響を非常に受ける
適切な代表値でない場合がある
2つ以上の異質なグループ(異常値)を含んでいないのか注意


平均が世に浸透した背景
平均という考え方を初めて社会科学に持ち込み、人間にあてはめたのはアドルフ・ケトレー。
19世紀初頭の課題、測定者によって天体速度の測定値が異なる。
別々に計測された値をまとめて平均値を割り出すことで、測定誤差を最小限にするという方法が考案された。

ケトレーは、これをそのまま人間に流用し「個々の人間は誤差を伴うが、平均的な人間は真の人間の象徴だと宣言」
多くの知識人から高く称賛され、世間の平均に対する考え方の基礎をつくった。
この時代における平均人は、平凡でつまらぬ者ではなく、完璧な人間であると理解されていた。

この平均に対する憧憬を一変させたのは、ケトレーより20年少々遅れてイギリスに生まれたフランシス・ゴルトン。
階級社会イギリスの上流階級に生まれたゴルトンは、平均に階層の概念を加えた。

ゴルトンは、ケトレーとは異なり、平均からの逸脱を単なるエラーであるとは考えなかった。
平均から上方へ逸脱したものを「有能者」、下方へ逸脱したものを「低能者」としたのである。
平均以上であることに価値があるというゴルトンの思想はあまりに広く深く現代社会に浸透しているため、
にわかには信じがたいが、平均が意味するところを正常から凡庸へと変化させたのは、「ほぼ100パーセント、ゴルトンひとりの手柄」であるという。

平均や標準化は、人類に大いなる繁栄をもたらした。標準化による大量生産を謳ったテイラー主義こそが20世紀の大量生産・大量消費の時代につながる。
ハイスピードで労働者の賃金を向上させ、消費者に手ごろな価格で便利な製品を提供し、多くの貧困層を救った。
https://courrier.jp/news/archives/88522/


べき分布
ロングテールも結局はべき分布にしたがっている。
べき分布ではサンプル数を増やすと平均値が上がってしまう。
「平均」という概念に意味がない。
正規分布に比べて、裾野が右に広がる。
実は正規分布の成立する方が限られた場面なのかも。


セイバーメトリクス
打率、本塁打、打点
出塁率 打率以上に得点との相関が高い
GPA OPS(出塁率+長打率)をより得点との相関を高めたもの
BRs27 その選手だけで打線を組んだ時に、1試合あたりどれだけの得点を挙げられるか
類似指標RC27

盗塁は得点の期待値を「あまり」あげない
1シーズン200盗塁、成功率80%でも、シーズン総得点は10-15点押し上げる程度
二死二塁からの三盗は成功率8割でも、得点期待値と得点確率の両方を低下させる
でも1点がどうしても欲しいケースなら、得点期待値よりも得点確率を優先して、
60%以上の成功率が見込めるなら、盗塁を試みる価値はある


尺度
質 名義 1男 2女
順序 尺度の等間隔性は不安定。5件法や7件法
量 間隔 尺度間は等間隔ではある。加算はしてもいいらしいが、積算倍率はちょっと
比率 なんとでも計算OK


池田さん講義
出荷時の品質管理(QC)から発達した→sensory evaluation(官能評価)

「かなり」は地域によって結構度合いが違うので、あまり使わない方がいいかも

統計的には、順序尺度を間隔尺度として使うのには無理がある。
ただし、各選択肢が等間隔であると見なせる場合には、統計的にも望ましい結果が得られる。例えば、市場製品を対象とする場合、寡占的な製品、ニッチ的な製品を選択肢に含めてしまうとうまくいかない。つまり平均順位とかの算出にはある程度有益である。

平均値で主成分分析をやると、データのバラツキを無視することになるから、寄与率が上がる。だからローデータでやる。

データの取り方。意識だと嘘をつかれる。行動・実物の方が確からしい尺度となる。


多重比較
クラスカル・ウォリスの検定(K個の独立サンプルの検定)
ウィルコクスンの順位和検定(2個の独立サンプル)
ボンフェローニの修正方法


因子分析→クラスター
因子分析
主因子法、回転しない、KMOとバートレットの球面検定にチェック
固有値1以上

クラスター
大規模ファイルのクラスタ分析
クラスタ個数は自分で指定

(2006年4月5月、2007年2月6月、2010年3月4月メモ)
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情報の受け取りやすさ

米ロイター発
カリフォルニア技術Institute Veli Rutishauser氏

脳の回路レベルでの事象と、ヒトの行動の効果との、直接的な関連性が明らかになった
リラックス状態の意識は、新しい情報を受け取りやすい

8人の被験者に100枚の写真を1枚1秒のペースで提示
15-30分後に見せたもの50枚、新しいもの50枚をおそらくセットで提示
最初に見せたのはどっちだ?自分の答えにどのくらい自信があるか答えさせる

脳電図を使って神経活動と記憶が形成される脳領域の電気信号を計測
神経がシータ波と同期している間に学習が起きると認識が強くなる


感情強度
ラジオのclassic channel
聴取時は感情強度(Emotional Intensity)が低い、が
広告になると感情強度が上昇
POPS channelは逆に下降

(2008年12月、2010年4月メモ)