「決定論的な」科学と「確率論的な」科学
決定論的な科学
物理学や科学のように、因果関係が必要条件や十分条件を構成するような、きちんとした現象を研究対象とするもの。例えば、一定の質量をもった2つの物体間の重力を増加させるためには、それら2つの物体をより近づけてやることが必要十分条件となる。
確率論的な科学
心理学や経済学のように、一般に原因とされるものが必要条件でも十分条件でもなく、完全に予期することが不可能であるような現象を研究対象とするもの
確率論的な科学を学ぶことの利点
決定論的な科学を教育するよりも、確率論的な科学を教育する方が有効である。
例えば、配偶者の死去は、残された夫や妻の健康をも損ねる原因となることが多い。しかし、残された夫や妻の誰もが健康障害を被るというわけではない。また、まったく別の原因によって健康を損ねることもある。つまり、配偶者に先立たれてしまうことは、健康を損ねることの必要条件でもなければ十分条件でもない。
同様に、容姿が優れている人は、一般に他人に好まれることが多い。しかし、美しい人誰もが人に好かれるわけではなく、容姿だけが他人に好かれるための条件であるわけでもない。
このように、ふだんの生活における現象というものは、確率論的な科学が研究対象としているような不確定性の現象なのである。言い換えると、統計学的な回帰や、標本の歪みや、統制群の重要性などが特に問題となってくる。
そこで、こうしたタイプの科学(確率論な科学:心理学や経済学)を学ぶことこそが、日常的なできごとを正しく評価するための心の習慣を育てるのに最適であると考えられるわけである。(T・ギロビッチ「人間この信じやすきもの」より)
【教訓】
確率論的科学の有用性。
心理学は、他人の心の中がわかるから役に立つのではなく、確率論的な複雑な世の中の事柄を正しく理解するための方略を与えてくれるから役に立つのである。
決定論的な科学
物理学や科学のように、因果関係が必要条件や十分条件を構成するような、きちんとした現象を研究対象とするもの。例えば、一定の質量をもった2つの物体間の重力を増加させるためには、それら2つの物体をより近づけてやることが必要十分条件となる。
確率論的な科学
心理学や経済学のように、一般に原因とされるものが必要条件でも十分条件でもなく、完全に予期することが不可能であるような現象を研究対象とするもの
確率論的な科学を学ぶことの利点
決定論的な科学を教育するよりも、確率論的な科学を教育する方が有効である。
例えば、配偶者の死去は、残された夫や妻の健康をも損ねる原因となることが多い。しかし、残された夫や妻の誰もが健康障害を被るというわけではない。また、まったく別の原因によって健康を損ねることもある。つまり、配偶者に先立たれてしまうことは、健康を損ねることの必要条件でもなければ十分条件でもない。
同様に、容姿が優れている人は、一般に他人に好まれることが多い。しかし、美しい人誰もが人に好かれるわけではなく、容姿だけが他人に好かれるための条件であるわけでもない。
このように、ふだんの生活における現象というものは、確率論的な科学が研究対象としているような不確定性の現象なのである。言い換えると、統計学的な回帰や、標本の歪みや、統制群の重要性などが特に問題となってくる。
そこで、こうしたタイプの科学(確率論な科学:心理学や経済学)を学ぶことこそが、日常的なできごとを正しく評価するための心の習慣を育てるのに最適であると考えられるわけである。(T・ギロビッチ「人間この信じやすきもの」より)
【教訓】
確率論的科学の有用性。
心理学は、他人の心の中がわかるから役に立つのではなく、確率論的な複雑な世の中の事柄を正しく理解するための方略を与えてくれるから役に立つのである。
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