2015年12月26日土曜日

評価者特異効果

上司や評価者が部下を評価する際、客観的な業績よりも評価者個人の主観、基準、クセが評点に強く反映される現象

評価者特異効果はどうしても出てしまう、そこで、メンバーのスキルではなく、そのメンバーについて将来どうするつもりかを聴取

  • 「私が知る範囲でこの人物の業績から判断すると、もし私が決定権者であれば、報酬は増やせる限り最大限増やし、ボーナスも最大限与えるでしょう」
    • 強くそう思う〜全くそう思わない → 業績から全般と組織に対する独自の価値提供を測る
  • 「私が知る範囲でこの人物の業績から判断すると、常に自分のチームにいて欲しいと思う」
    • 強くそう思う〜全くそう思わない → 他者とうまく一緒に働ける能力を測る
  • 「この人物は悲惨な業績となるおそれがある」
    • はい、いいえ → 顧客やチームに対して害となりかねない問題を見つけ出す
  • 「この人物は今日昇進してもおかしくない」
    • はい、いいえ → 潜在能力を測る

評価者の陥りやすいエラー

http://www.kantokushi.or.jp/lsp/no608/608_02.html

ハロー効果

人間を評価するときの代表的なエラー要因の1つです。ハロー(halo)とは,後光,光背,光輪の意味で,何か1つでも美点があると,後光が差したように,その人のすべてがすばらしく見えてしまうことです。たとえば「字がきれい」なだけで,文章力もあり,仕事も正確…などと見えてしまうことがあります。あるいは,ポカミスをするというだけで,作業能力全体が劣っていると思い込むこともありがちです。印象にとらわれず,まっさらな目で事実だけを見て評価していくことが必要です。

対比誤差

評価者が,自分の能力・特性と反対の方向に部下を評価してしまう傾向のことです。“できのいい”評価者ほど要注意です。人事評価は,評価基準に照らした絶対評価であり,間違っても,自分との相対評価ではありません。

寛大化傾向/厳格化傾向

実際よりも評価を甘くつけてしまうのが寛大化傾向,辛くつけてしまうのが厳格化傾向です。寛大化傾向は,相手に悪く思われたくないという心理から生じたり,あるいは,評価に自信がない場合などにも起こりがちです。一方,厳格化傾向は,日ごろから「減点主義」で部下を見ている評価者に見られます。評価者訓練などを通じて,評価のブレを是正する必要があります。

中心化傾向

評価が中央(標準点)に集まってしまうことです。まず,根拠に自信がなくて,評価に差をつけられないということがあるでしょう。部下の観察や事実の把握が不十分なのです。あるいは,部下たちとの“なれあい”が原因になることもあります。

逆算化傾向

最初に部下の総合評価を頭に描いておいて,要素ごとの評価で“つじつま合わせ”をしてしまうことです。評価者の思い込みがそうさせるのですが,主観的・意図的評価になってしまうことは明らかです。1つひとつ要素ごとにきっちりと評価し,積み上げるという“手続き”に従わなくてはいけません。

論理的錯誤

たとえば能力を評価する際,「理解力」に高評価をつけたのだから論理的にいって「判断力」も高くつけないとおかしい…などと,評価者が勝手に理屈をつけて,評価要素どうしを関連づけてしまうエラーです。あくまでも理解力は理解力,判断力は判断力であり,別の“ものさし”で測るのだという意識で評価していくようにします。



デジタル情報と符合の理論

放送大学

第3回 確率論の基礎
確率変数 試行の結果によって、値が確率的に決まる変数
確率分布 確率変数と確率の対応関係
確率分布関数 離散的な値をとる確率変数xに対する確率を与える関数f(x)
サイコロを1回投げるときの出る目x、このxがとる値は確率的に決まる、
なのでxは確率変数といえる
サイコロを1回投げる試行における出る目の確率はどの目も6分の1なので
この確率分布は一様分布
サイコロを2回投げるときの出る目の和xの場合は、2や12は少なくて、7がもっとも多い、なのでこの確率分布は三角分布

確率分布関数 離散的な値をとる確率変数xに対する確率を与える関数f(x)
確率密度関数 連続的な値をとる確率変数xに対する確率を与える関数f(x)
 確率変数がある値をとる確率を導く

二項分布
1回の試行で事象Aの起こる確率がp
この試行をn回繰り返す
このときの、事象Aが起こる回数x
例)サイコロを10回投げて1の目が出る回数x
p=1/6 n=10
x=3(1の目が3回出る)の確率 0.155
x=0の確率は0.162
もっとも確率が高いのはx=1(0.323)次いでx=2(0.291)
x>=6となる確率はほぼない
二項分布の平均値μ=np 分散σ^2=np(1-p)
二項分布B(10,1/6)の平均値μ=5/3 分散σ^2=25/18

二項分布B(n,p)は、nの値が大きいとき、正規分布N(np,np(1-p))で近似可能


第4回 情報量
informationの語源
inform = in(思考・精神に) + form(形を与える)

情報 もともとは軍事用語で「敵と敵国に関する知識」という意味
informationの訳語として定着したのは1950年代後半から学術語として定着

対数 指数関数y=a^xのxとyを交換する、すなわち一次関数y=axの線対称
x=a^y つまりy=logax

第5回 エントロピー
エントロピー 得られる情報量の期待値
不確定さ・あいまいさの指標

第6回 ベイズの定理
理由不十分の原則
情報が与えられていなければ、確率は同等、とみなす

ベイズ更新 1回目の事後確率を、2回目の計算の新たな事前確率として利用する

第7回 通信のモデル
通信路容量 伝送情報量の最大値(誤りビットも含む)をとる、つまり通信路の情報伝送能力のこと
伝送情報量 1記号あたりの平均情報量 ビット/記号
伝送情報速度 単位時間あたりの伝送情報量 ビット/秒

第8回 情報の圧縮
第9回 線形符合
第10回 巡回符合と畳み込み符合
第11回 テキストの符合化
第12回 音の符合化
第13回 画像の符合化
第14回 動画の符合化
第15回 数列の利用








日本心理学会第79回大会at名古屋

2015/9/22(火)

二人で同じ花を見るとなぜ美しいか?

共同注意と美感

北山修

共同注意: 2人以上の人(例えば、乳幼児と養育者)が、同じ対象物や事象へ一緒に視線や注意を向けており、そうであることを互いに認識している状態

サイモン効果

横澤一彦

  • 刺激の位置と、反応の位置が一致しない場合に、反応速度や正確性が低下する現象
  • ストループ効果: 刺激の色と意味が矛盾する場合
  • 隣にいるだけでは相互作用は起きない、ともに課題に取り組むことが大事

色嗜好は文化によって異なりそう。美感も異なりそう

  • アメリカは高彩度が好き
    • 暗い赤はクランベリーだから好き
    • モノの好き嫌いでほぼ説明できる
  • 日本は高明度が好き
    • 暗い赤は血を連想するから嫌い
  • モノの色だけでは説明しきれない
    • 色から抽象的イメージを想起している(白い恋人 青い初恋)

ヒトの共視の発達とその進化的基盤

明和政子

  • 見つめることは威嚇
    • ヒトと大型類人猿ではポジティブな意味合いも
  • 新生児模倣
    • 生後2ヶ月でいったん消失

ヒト特有の心の働き

  • 加齢とともに自動的に出現するわけではない
  • 共に思うこと、を確認、共有する機会を豊かに提供する、ヒト特有の養育環境、これは進化の産物
  • 養育者による足場作り
  • 乳児が何をしようとしているのかを敏感に読み取り積極的にそしてたぶん無意識に手助けする
  • 他個体の快情動にまで共感するヒトの特性

ベイズと認知発達入門

ベイズ推定とは何か? ベイズの定理を利用してパラメーターを推定する

  • 事前分布 データを入手する前に、我々が持っている母数に対する信念
  • 尤度 パラメーターの値を仮に○とした時に、手元にあるデータが得られる確率
  • 事後分布 データを入手した後の、更新されたパラメーターに対する信念
  • 規格化定数(周辺尤度) 推定したいパラメーターに対する情報を持っていないので、きほん無視する

ベイズ推定の利点

  • 事前の信念を分析に組み込むことが可能
    • 例)分散は負にならない→不適解を防ぐことができる
  • データ収集前に持っていた情報分析を組み込むことが可能
    • 例)有意でなかった過去結果→最尤推定法などでは推定できないモデルも推定することが可能
  • サンプルサイズが小さくてもよい

事後分布が出力されて終わりなので、点推定として平均値を算出するか、区間推定として両端2.5%を切り落として記述する

グラフィカルモデル(生成モデル)

  • 確率変数の依存関係をグラフであらわしたもの
  • 観測される情報が作られるプロセスを確率的に変動している
  • 適切に定義するとデータから教師なしでパラメーターの推定が可能
  • モデルのパラメーターをギブスサンプリングで学習
  • ベイズ推定により計算した未観測変数の事後確率を利用
  • これにより複雑なモデルであっても容易に学習可能

東洋的思想の心理学への展開

春木豊




2015/9/23(水)

隣接領域から見た心理学界

建築学からの視点

久野覚

  • 寒暑涼暖、生死に関わるのに取り上げてくれてない
  • 統計検定には次元を絞る必要がある
  • 建築では元々多様性を認めているので、一意に決まらなくてもい
  • 理由は不要、いろんな人がいるという状況がわかればいい
  • 仮説発想的(仮説検証型ではない)データ探索型
  • 一つに凝り固まらないであれこれやったほうが発想が豊かになるんじゃね?

法学から見た心理学

木下麻奈子

  • 学際領域を研究してれば両方の通訳ができる
  • 変数の扱い方が異なる
  • 心理学では人間の行動が説明変数
  • 法学では法規範が説明変数

キティージェノビーズ事件での例

  • 心理学は人の行動・心理の側面から考える
    • なぜ助けないのか
    • どんな特徴の人が助けないのか
  • 法学は制度の側面から考える
    • 救助した時に責任を問われないようにする
    • 救助しなかった場合に罰を与える

それぞれの学問で何を説明変数にしているのかということ自体に気が付いていない

「社会」の意味が異なる
  • 心理学で扱う社会は、個人に投影されたミクロな社会である
  • 制度としての社会でありマクロなものとして扱う
  • 現実社会の仕組みを知らないのではないか?
  • 抽象化することは研究上必要だが、本質から離れて抽象化するのは問題が多い
「法」の意味が異なる
  • 心理学では法とは法律のことを指す
  • 法学では原則的に法は法律だけでなく、社会規範も含むもの
  • インフォーマルルールを専ら扱い、フォーマルルールである法律を扱わない
  • 法律は現実社会で強制力が担保されている強力な規範なので、扱わないとアンバランスになる
法学と心理学がコラボするための条件
  • 実社会の勉強が必要
  • 人間と法の両者の共変動を扱うことができれば本当の学際研究となる

医学から見た心理学界

井口善生(精神医学、神経科学)

  • 基礎と臨床の往還的な思考が少ない
  • 臨床心理学者の基礎研究への参画を促す環境整備が必要
  • 他分野の下請けにならない
  • 行動解析のプロになれ
  • コミュニティの外側を見据えた情報発信
  • 心理学を専攻しない研究者があなたの論文を読むことを意識しろ

デザインから見た心理学界

牧野暁世

  • デザインは問題解決のための一手法である
  • 良い見てくれだけではない
  • 必然性があるデザインは良いデザイン
  • 自由とは必然性の洞察である by ヘーゲル
  • いろんな学問のプラットホームとなれるのが心理学のいいところでもあるんだけどね

日本における数理心理学の展開

浅川伸一

ディープラーニング解題

  • 認識・処理過程が人間と機械と同じと考えるか別物と考えるか
  • 機械学習の進歩、アルゴリズムの進化、ハードウェア(計算速度)の進化

広田すみれ

  • 確率を伝える
  • リスクコミュニケーション
  • 確実性
  • 不確実性 リスク(確率で記述可能)、曖昧性、多義性
  • 不確定性原理とかカオスとか無知じゃないけど不確実なものもあるよね
  • 無知性

主観と客観

  • 認識論的確率(主観的)
    • 気象予報の確率、1回の事象についてのことなので古典説や頻度説では常に確率が算出できるわけではない
    • 天文学、力学、高級科学
    • 錬金術、医学、低級科学に関連した臆見に属する
    • 正統な人や権威者が是認している、蓋然性が高い
    • 1回事象についての認識論的確率
  • 客観確率(頻度説、傾向説)、偶然的
    • 世界がどのようであるか

二重過程理論の応用

教育心理学への応用

島田英昭

共感の事例

  • 理解と行動は別物かも?
  • 理解しても行動には結びつかない
  • 理解できなくても行動する

臨床応用

鈴木俊太郎

ソリューション・フォーカスト・ブリーフセラピー(SFBT)

問題の原因追求ではなく、クライエントの強みや「解決された未来」のイメージに焦点を当て、短期間で解決を図る心理療法

犯罪予防行動の促進

島田貴仁

犯罪予防の情報発信において、二重過程理論からすると、

  • 感情システム(システム1)には、犯罪「事例」が効きそう
  • 論理システム(システム2)には、犯罪にまつわる「知識」が効きそう

知識、事例、知識+事例

  • 募金詐欺のような1回だけのだと「事例」訴求
  • ひったくりだと「知識+事例」訴求
  • 時間が経つと「知識」も「事例」も減衰する(定期的に発信する必要ある)
  • 事例は著しく減衰する(システム1は忘れんぼだから?)

教育 臨床 社会

及川昌典

本当にわかってる?(教育)

  • 知識を教えることはできる
  • 頭では理解したつもりになっている
  • 知恵を育むことは難しい
  • 腑に落ちない
  • 応用できない
  • わかってないのと同じなのでは?

本当にわかってる?(臨床)

  • 患者は自らの状態を雄弁に語る
  • しかし自己報告はあてにならない
  • 内省の限界
  • 記憶の歪み
  • 希望的観測

本当にわかってる?(社会)

  • 人の賛同は得られる
  • しかし行動を変えることは難しい
  • セルフコントロールの問題
  • 論より感情、個人より環境にはたらきかけるべきか?
  • それで社会は納得するだろうか?

人間の行動理解

北島宗雄

two minds(二重過程理論) 特性時間 bandがそもそも違う

ハーバート・サイモン Herbert Simon

サイモンの蟻

  • 人間や組織の行動を説明するためのたとえ話
  • 複雑に見える行動も、実は単純なルール(行動様式)が複雑な環境と相互作用した結果に過ぎない
    • 砂浜を歩く蟻は複雑な動きをしてるように見える
    • 蟻の目的はシンプル、ただ巣に帰りたいだけ
    • 環境は複雑(砂浜は小石や障害物がたくさんある)
    • だが蟻は障害物を避けるという単純なルールで移動してるだけ
  • 蟻の行動が複雑に見えるのは、蟻の頭の中が複雑だからではない
  • 砂浜という「環境」が複雑だから

限定合理性(Bounded Rationality)

  • 人間は合理的であろうと努めるが、
  • 情報・時間・認知能力の限界により「完全な合理性」は持ち得ないとする概念

満足化原理(Satisficing)

  • 人間が「限定合理性」に基づき、全知全能ではない中で、
  • 最大化(最適化)ではなく「ある程度の目標を達成できた(満足できる)時点で決断する」意思決定行動
  • 時間や情報が限られる中、探索コストを減らし、早期に意思決定を行うための効率的なアプローチ

つまり、

  • 人間の行動は、やってることは至ってシンプル、
  • 環境が複雑なだけ なのでは

時間軸で考えると

  1. before システム2
  2. before システム1
  3. event
  4. after システム1
  5. after システム2

2015/9/24(木)

脈波のカオスは心理学に何をもたらすのか?

生理反応・心理状態・コミュニケーションを探る

鈴木平

相互作用するカオスから全体性の科学へ?

  • 学術用語としてのカオスは、一般に使われる混沌・無秩序とは違うよ
  • まったく予測できないわけではない
  • 一定の範囲内の値をとることはわかる、ただその中のどの値をとるかを予測するのが大変
  • 一見、決定論的、確率論的に見えるが、初期値鋭敏性などもあって長期予測が困難、人間にはほぼ無理
  • 非線形であるからといって多次元多自由度とは限らない
  • 部分と全体を切り離さない
  • 非線形で相互作用だらけの全体から一部を切り取って線形的に眺めてるのが従来の手法といえそう
  • コンピューターが進化してくれたからこそ今ようやくできるようになってきた

吉田暁
脈波のカオスと情動、自律神経活動との関連

岡林春雄

  • ヒトの心理、行動は時間の流れに沿って変わるもの
  • staticではなくdynamicなものなんだよ

計算科学と心理学

白宇 鈴木麗璽(れいじ) 大平徹 大平英樹

  • 搾取と探索にはけっこう越えるのが大変なヤマがある
  • これをどうやって乗り越えてもう一つの選択をしてるのか?
  • ノイズと遅れがあるおかげで搾取ばかりでなく探索の選択ができるのかも?
  • ノイズや遅れがないともう一つの選択が発生しない
  • 大きすぎるとしょっちゅう発生する
  • ノイズと遅れは身体から発せられてるのでは?


第8回感情心理学会セミナーat大阪

感情と無意識

https://jsre.jp/emotion/pdf/es01_1/73.pdf

IPANATを用いた感情測定

下田俊介 東洋大学

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ems/1/1/1_010116/_pdf/-char/ja

IPANAT

  • Implicit Positive and Negative Affect Test
  • ポジネガ感情の潜在測度
  • 回答者に感情の自己報告を直接的に求めるのではなく、特定の対象が表す気分の評定を求めることで、自らの感情状態を測定していることを自覚させずに、間接的に感情を測定する
  • 質問紙で実施可能
  • 社会的望ましさなどの意識的な歪曲をうけにくい

具体的には

  • 「さまざまな気分を表すように作成された人工語」と称したニュートラルな無意味語(SAFME, VIKES,TUNBA, TALEP, BELNI, SUKOV)を提示
  • それぞれの人工語がどんな気分を表してるかを6種類の感情語(happy, energetic, cheerful, helpless, tense,inhibited)を用いて、想像しながら直感的に回答してもらう
  • 人工語は、実際にはニュートラルな無意味語であるため、このようなあいまいな対象を評定する場合、回答者本人の感情がその評定結果に影響を及ぼすだろう(感情を無意味綴りに転移させる、感情プライミング)という考え方
  • 顕在尺度みたいに明確じゃないから、IPANATは目的をボカして使うのに向いてそう
  • 顕在尺度だと要求特性、今こうしてるから、こういうの見たから今はこういう気分なんだろうと、勝手に都合よくマインドを変えてくれる、が影響しやすい
  1. 感情語得点を算出
  2. 6種類の感情語の得点算出
  3. ポジネガの感情得点を算出
  4. 信頼性と因子的妥当性

IPNATで測定したのの内訳

  • 状態的感情
    • 状況手がかり(個人内、環境からの刺激)によって活性化、生起した一時的な感情状態
  • 特性的感情
    • 特定の感情に対する慢性的なアクセスしやすさ
    • 個人の経験などによって異なると想定される
    • 例えば慢性的にポジティブ感情にアクセスしやすい個人は、ポジティブな感情への閾値が低く、ポジティブな感情状態になりやすい
  • 誤差
    • 人工語に対する主観的な連合の度合い
    • 人工語はなるべくニュートラルで無意味な語が用いられている
    • が人によっては特定の人工語と特定の事象とが結びつきやすいかも



単純接触効果と無意識

川上直秋 愛知淑徳大学

https://jsre.jp/emotion/pdf/es01_1/81-86.pdf

我々の好意はどこから来るのか

  • すばやさ 活動性
  • つよさ 力量性

単純接触効果 mere exposure effect

  • 対象への反復接触が、その対象への好意を増加をもたらす現象
  • ロバート・ザイアンス 1968

基礎的知見

  • 文字や顔写真、図形など、あらゆる対象において生起
  • 接触回数と好ましさは右肩上がりの比例関係
  • 反復接触という基礎的な情報処理が、好ましさという感情と結びつく
  • 接触に気づいてなくても好意は上昇、つまり自覚なしの無意識現象

単純接触効果における無意識

  • 刺激の閾下提示(閾下単純接触効果)入力における無意識
  • 潜在指標を用いた測定(潜在的効果)出力における無意識

単純接触効果に影響しやすそうな刺激提示の仕方

  • 多様な側面に触れる
  • 接触を日々積み重ねる(累積的効果)
  • 異質なものと「適度に」接触する
  • 行動が理解しやすい(行動の一貫性の効果)
  • 誰かと話して好きだとわかる(潜在的効果の顕在化)

多様な側面に触れる

単純接触効果の般化(generalization)

  • 実際に接触した刺激に留まらず、同じカテゴリに属する未接触刺激の好意度も上昇

    • ある規則に従った人工有限文法を含む無意味文字列の学習が反復接触により行われ
    • そして接触時には呈示されていないにもかかわらず、その文法に従った未接触の文字列に対しても単純接触効果が生起(Gorden & Holyoak, 1983; Smith et al., 2008)
    • 接触した刺激と評価する刺激に何らかの共通性が存在するから単純接触効果が生じるのだろう
    • 単に見たものを好きになるという視覚的な現象ではないのかも
    • 接触した対象をどう捉え解釈するか、知覚者の主体的な認識を媒介として生起する現象なのでは
  • 白人一般への好意的影響が確認された

    • 白人の顔写真への反復接触によって、未接触の黒人顔写真に対する好意度が減少(Smith, Dijksterhuis,& Chaiken 2008)
    • 単に刺激の物理的特徴に依存した現象ではなく、より高次の社会的認知プロセスを含む現象なのでは

接触を日々積み重ねる(累積的効果)

  • 集中(1日で100回接触) vs 累積(5日間連続で20回/日)
  • 多面(同一人物の複数の表情を提示) vs 単一(同じ表情を提示)

結果、

  • 接触直後は、いずれの条件(集中/多面、集中/単一、累積/多面、累積/単一)においても単純接触効果が生起、特に集中的な接触が最も強い
  • 集中接触では1ヶ月後で効果が消失
  • 累積接触では、直後の効果が3ヶ月後まで持続
  • 単純接触効果が長持ちしやすいのは、ちょっとずつ何度もなのかも

また、

  • 単一よりも多面の方が単純接触効果が強かった
  • 接触回数多い→親近性高まる→単純接触効果、とそこまで単純ではないのかも
  • 単一刺激の多数回呈示よりも、複数の刺激を少数回ずつ呈示した方が効果的

単純接触効果においては、反復と変化の役割分担があるのでは

  • 表情は違っても同一人物であるというカテゴリレベルでの反復に起因する親近性
  • その人物の複数の刺激に接触することによるカテゴリ内での変化による新奇性
  • こうした対象への多面的な接触が、単一側面への接触よりも、その対象についての立体的な理解が促進されることで効果が強化されたのではる
  • 単純接触効果による無意識的な好意度形成には、対象を多面的に捉え、その対象像を明確にする認知過程が根底にあるのでは

異質なものと「適度に」接触する

  • 多数の典型例に、少数の非典型例が混ざった場合に効果が最大化
  • 急激な変化よりも、緩やかな変化の方が好まれる

実験

  1. オタク: 一般的に固有の外見的特徴を有すると認識されやすい社会的集団
  2. オタクとして教示された計10名の人物写真を閾下呈示
  3. オタクとして典型的な人物と非典型的な人物の割合を段階的に操作
  4. 潜在指標によって測定されたオタクに対する単純接触効果を最大化させる典型性の割合を探索

結果

  • 単純接触効果が生起したのは、接触する10人のうち70%か100%がオタクの場合
  • 反対に、接触するうち30%か0%がオタクの場合には単純接触効果が生じなかった
  • 非典型的な成員への接触が典型的な成員に比べて多くなると単純接触効果が生じない
  • 効果の強度を割合間で見てみると、70%条件で最も効果が強かった
  • 多数の典型成員に少数の非典型成員が組み込まれることで、典型成員のみに接触するよりもむしろ集団カテゴリ固有の特徴が明確になり、単純接触効果が強化されたのでは

単純接触効果における有効な変化とは

  • 既存の枠組みさえも曖昧となる急激な変化ではなく
  • 既存の枠組みを大きく逸脱することなく異質性が一つのカテゴリの中に内包され
  • カテゴリの多様性として理解され得る緩やかな変化を伴う接触なのでは

行動が理解しやすい(行動の一貫性の効果)

  • 閾下での系列提示からストーリーを無意識に知覚しているっぽい
  • 変化の中から、時間的、空間的な連続性を抽出してるのでは
  • 単純接触効果が生じたのは系列提示のみ
  • ランダム提示は単純接触効果を抑制

実験

  1. 女性のある行動(ジュースをこぼして拭く)の映像を10枚のスチール画像に分割したうえで、それらが行動の順番通り(系列呈示)にまたはランダムに10回ずつ閾下呈示
  2. 画像に登場していた女性への潜在的好意度を測定

結果

  • 系列呈示した場合のみに単純接触効果が生じてた
  • その人物の顔写真のみを反復呈示するよりも潜在的好意度は高かった

誰かと話して好きだとわかる(潜在的効果の顕在化)

  • 潜在指標のみで単純接触効果が生起
  • 閾下での単純接触は、潜在的次元に強く影響を及ぼす

同じ刺激に接触した者同士が相互作用をおこなった場合のみ、顕在指標でも単純接触効果が生起




情動反応が学習過程に与える影響とその特徴

渡邊言也

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ems/1/1/1_010118/_pdf/-char/ja

  • 我々は自分自身を常に環境に適応させながら、目的を達成(自身が得られる利得を最大化)するために学習している
    • 学習の中でも特に試行錯誤によって習得される学習がどのようなルールによって実現されているか
    • 条件づけ学習には条件刺激、行動、無条件刺激のみが不可欠な要素
    • 条件付け学習(Conditioning): 特定の刺激と行動、あるいは結果を関連付けることで、新しい行動や反応を学習する心理学的なプロセス
  • だが現実環境は大量の情報が溢れている
    • 本来の目的とは無関係だが情動に影響を与えて、学習の出来や習得スピードを変化させてしまう情報もある
    • 学校におけるクラスの雰囲気や職場の緊張感のある空気など
  • 課題に無関係な情動喚起が、条件づけ学習に影響するか?

結果

  • 恐怖表情刺激は、中立表情刺激提示に比べて、学習スピードを加速させた
  • この加速は学習率上昇によって実現されている

考察

  • 環境から喚起される情動は常にその場において意識できるものとは限らない
  • 情動が学習率を向上させる現象も日々の生活の中で無意識におこなっているだろう

二過程モデル two pathway model for emotional signal

視覚情報が網膜で処理されてから情動の中枢と考えられている扁桃体へ入力されるまでに大きく分けて二種類の処理特徴の異なる脳内経路が存在し、それぞれの処理特徴が異なるとするモデル

  • 皮質経路 cortical pathway
    • 一般的な視覚情動処理過程(網膜 視床外側膝状体 一次視覚野 第二次視覚野 高次の視覚野、扁桃体)
    • 時間をかけて細かい情報を処理する、ことで適切な行動をおこなうのだろう
  • 皮質下経路 subcortical pathway
    • 少ない神経核を介して(網膜 上丘 視床枕 扁桃体)
    • 素早くアバウトに判断する
    • 何を見たかという知覚がなくても扁桃体は情動に関する処理をおこなっている



日本感情心理学会 https://jsre.jp/