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2015年12月26日土曜日

第8回感情心理学会セミナーat大阪

感情と無意識

https://jsre.jp/emotion/pdf/es01_1/73.pdf

IPANATを用いた感情測定

下田俊介 東洋大学

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ems/1/1/1_010116/_pdf/-char/ja

IPANAT

  • Implicit Positive and Negative Affect Test
  • ポジネガ感情の潜在測度
  • 回答者に感情の自己報告を直接的に求めるのではなく、特定の対象が表す気分の評定を求めることで、自らの感情状態を測定していることを自覚させずに、間接的に感情を測定する
  • 質問紙で実施可能
  • 社会的望ましさなどの意識的な歪曲をうけにくい

具体的には

  • 「さまざまな気分を表すように作成された人工語」と称したニュートラルな無意味語(SAFME, VIKES,TUNBA, TALEP, BELNI, SUKOV)を提示
  • それぞれの人工語がどんな気分を表してるかを6種類の感情語(happy, energetic, cheerful, helpless, tense,inhibited)を用いて、想像しながら直感的に回答してもらう
  • 人工語は、実際にはニュートラルな無意味語であるため、このようなあいまいな対象を評定する場合、回答者本人の感情がその評定結果に影響を及ぼすだろう(感情を無意味綴りに転移させる、感情プライミング)という考え方
  • 顕在尺度みたいに明確じゃないから、IPANATは目的をボカして使うのに向いてそう
  • 顕在尺度だと要求特性、今こうしてるから、こういうの見たから今はこういう気分なんだろうと、勝手に都合よくマインドを変えてくれる、が影響しやすい
  1. 感情語得点を算出
  2. 6種類の感情語の得点算出
  3. ポジネガの感情得点を算出
  4. 信頼性と因子的妥当性

IPNATで測定したのの内訳

  • 状態的感情
    • 状況手がかり(個人内、環境からの刺激)によって活性化、生起した一時的な感情状態
  • 特性的感情
    • 特定の感情に対する慢性的なアクセスしやすさ
    • 個人の経験などによって異なると想定される
    • 例えば慢性的にポジティブ感情にアクセスしやすい個人は、ポジティブな感情への閾値が低く、ポジティブな感情状態になりやすい
  • 誤差
    • 人工語に対する主観的な連合の度合い
    • 人工語はなるべくニュートラルで無意味な語が用いられている
    • が人によっては特定の人工語と特定の事象とが結びつきやすいかも



単純接触効果と無意識

川上直秋 愛知淑徳大学

https://jsre.jp/emotion/pdf/es01_1/81-86.pdf

我々の好意はどこから来るのか

  • すばやさ 活動性
  • つよさ 力量性

単純接触効果 mere exposure effect

  • 対象への反復接触が、その対象への好意を増加をもたらす現象
  • ロバート・ザイアンス 1968

基礎的知見

  • 文字や顔写真、図形など、あらゆる対象において生起
  • 接触回数と好ましさは右肩上がりの比例関係
  • 反復接触という基礎的な情報処理が、好ましさという感情と結びつく
  • 接触に気づいてなくても好意は上昇、つまり自覚なしの無意識現象

単純接触効果における無意識

  • 刺激の閾下提示(閾下単純接触効果)入力における無意識
  • 潜在指標を用いた測定(潜在的効果)出力における無意識

単純接触効果に影響しやすそうな刺激提示の仕方

  • 多様な側面に触れる
  • 接触を日々積み重ねる(累積的効果)
  • 異質なものと「適度に」接触する
  • 行動が理解しやすい(行動の一貫性の効果)
  • 誰かと話して好きだとわかる(潜在的効果の顕在化)

多様な側面に触れる

単純接触効果の般化(generalization)

  • 実際に接触した刺激に留まらず、同じカテゴリに属する未接触刺激の好意度も上昇

    • ある規則に従った人工有限文法を含む無意味文字列の学習が反復接触により行われ
    • そして接触時には呈示されていないにもかかわらず、その文法に従った未接触の文字列に対しても単純接触効果が生起(Gorden & Holyoak, 1983; Smith et al., 2008)
    • 接触した刺激と評価する刺激に何らかの共通性が存在するから単純接触効果が生じるのだろう
    • 単に見たものを好きになるという視覚的な現象ではないのかも
    • 接触した対象をどう捉え解釈するか、知覚者の主体的な認識を媒介として生起する現象なのでは
  • 白人一般への好意的影響が確認された

    • 白人の顔写真への反復接触によって、未接触の黒人顔写真に対する好意度が減少(Smith, Dijksterhuis,& Chaiken 2008)
    • 単に刺激の物理的特徴に依存した現象ではなく、より高次の社会的認知プロセスを含む現象なのでは

接触を日々積み重ねる(累積的効果)

  • 集中(1日で100回接触) vs 累積(5日間連続で20回/日)
  • 多面(同一人物の複数の表情を提示) vs 単一(同じ表情を提示)

結果、

  • 接触直後は、いずれの条件(集中/多面、集中/単一、累積/多面、累積/単一)においても単純接触効果が生起、特に集中的な接触が最も強い
  • 集中接触では1ヶ月後で効果が消失
  • 累積接触では、直後の効果が3ヶ月後まで持続
  • 単純接触効果が長持ちしやすいのは、ちょっとずつ何度もなのかも

また、

  • 単一よりも多面の方が単純接触効果が強かった
  • 接触回数多い→親近性高まる→単純接触効果、とそこまで単純ではないのかも
  • 単一刺激の多数回呈示よりも、複数の刺激を少数回ずつ呈示した方が効果的

単純接触効果においては、反復と変化の役割分担があるのでは

  • 表情は違っても同一人物であるというカテゴリレベルでの反復に起因する親近性
  • その人物の複数の刺激に接触することによるカテゴリ内での変化による新奇性
  • こうした対象への多面的な接触が、単一側面への接触よりも、その対象についての立体的な理解が促進されることで効果が強化されたのではる
  • 単純接触効果による無意識的な好意度形成には、対象を多面的に捉え、その対象像を明確にする認知過程が根底にあるのでは

異質なものと「適度に」接触する

  • 多数の典型例に、少数の非典型例が混ざった場合に効果が最大化
  • 急激な変化よりも、緩やかな変化の方が好まれる

実験

  1. オタク: 一般的に固有の外見的特徴を有すると認識されやすい社会的集団
  2. オタクとして教示された計10名の人物写真を閾下呈示
  3. オタクとして典型的な人物と非典型的な人物の割合を段階的に操作
  4. 潜在指標によって測定されたオタクに対する単純接触効果を最大化させる典型性の割合を探索

結果

  • 単純接触効果が生起したのは、接触する10人のうち70%か100%がオタクの場合
  • 反対に、接触するうち30%か0%がオタクの場合には単純接触効果が生じなかった
  • 非典型的な成員への接触が典型的な成員に比べて多くなると単純接触効果が生じない
  • 効果の強度を割合間で見てみると、70%条件で最も効果が強かった
  • 多数の典型成員に少数の非典型成員が組み込まれることで、典型成員のみに接触するよりもむしろ集団カテゴリ固有の特徴が明確になり、単純接触効果が強化されたのでは

単純接触効果における有効な変化とは

  • 既存の枠組みさえも曖昧となる急激な変化ではなく
  • 既存の枠組みを大きく逸脱することなく異質性が一つのカテゴリの中に内包され
  • カテゴリの多様性として理解され得る緩やかな変化を伴う接触なのでは

行動が理解しやすい(行動の一貫性の効果)

  • 閾下での系列提示からストーリーを無意識に知覚しているっぽい
  • 変化の中から、時間的、空間的な連続性を抽出してるのでは
  • 単純接触効果が生じたのは系列提示のみ
  • ランダム提示は単純接触効果を抑制

実験

  1. 女性のある行動(ジュースをこぼして拭く)の映像を10枚のスチール画像に分割したうえで、それらが行動の順番通り(系列呈示)にまたはランダムに10回ずつ閾下呈示
  2. 画像に登場していた女性への潜在的好意度を測定

結果

  • 系列呈示した場合のみに単純接触効果が生じてた
  • その人物の顔写真のみを反復呈示するよりも潜在的好意度は高かった

誰かと話して好きだとわかる(潜在的効果の顕在化)

  • 潜在指標のみで単純接触効果が生起
  • 閾下での単純接触は、潜在的次元に強く影響を及ぼす

同じ刺激に接触した者同士が相互作用をおこなった場合のみ、顕在指標でも単純接触効果が生起




情動反応が学習過程に与える影響とその特徴

渡邊言也

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ems/1/1/1_010118/_pdf/-char/ja

  • 我々は自分自身を常に環境に適応させながら、目的を達成(自身が得られる利得を最大化)するために学習している
    • 学習の中でも特に試行錯誤によって習得される学習がどのようなルールによって実現されているか
    • 条件づけ学習には条件刺激、行動、無条件刺激のみが不可欠な要素
    • 条件付け学習(Conditioning): 特定の刺激と行動、あるいは結果を関連付けることで、新しい行動や反応を学習する心理学的なプロセス
  • だが現実環境は大量の情報が溢れている
    • 本来の目的とは無関係だが情動に影響を与えて、学習の出来や習得スピードを変化させてしまう情報もある
    • 学校におけるクラスの雰囲気や職場の緊張感のある空気など
  • 課題に無関係な情動喚起が、条件づけ学習に影響するか?

結果

  • 恐怖表情刺激は、中立表情刺激提示に比べて、学習スピードを加速させた
  • この加速は学習率上昇によって実現されている

考察

  • 環境から喚起される情動は常にその場において意識できるものとは限らない
  • 情動が学習率を向上させる現象も日々の生活の中で無意識におこなっているだろう

二過程モデル two pathway model for emotional signal

視覚情報が網膜で処理されてから情動の中枢と考えられている扁桃体へ入力されるまでに大きく分けて二種類の処理特徴の異なる脳内経路が存在し、それぞれの処理特徴が異なるとするモデル

  • 皮質経路 cortical pathway
    • 一般的な視覚情動処理過程(網膜 視床外側膝状体 一次視覚野 第二次視覚野 高次の視覚野、扁桃体)
    • 時間をかけて細かい情報を処理する、ことで適切な行動をおこなうのだろう
  • 皮質下経路 subcortical pathway
    • 少ない神経核を介して(網膜 上丘 視床枕 扁桃体)
    • 素早くアバウトに判断する
    • 何を見たかという知覚がなくても扁桃体は情動に関する処理をおこなっている



日本感情心理学会 https://jsre.jp/



2015年7月25日土曜日

行動経済学

ファスト&スロー

ダニエル・カーネマン 行動経済学で2002年ノーベル経済学賞

3つの二項対立

  • システム1とシステム2
  • エコンとヒューマン
  • 経験する自己と記憶する自己

システム1とシステム2

二重過程理論

  • 直感・感情
    • 素早く努力なしに自動的に発動、意識的に停止できない
  • 熟慮
    • 遅く意識的に努力しないと起動できない発動にエネルギーを必要とする
    • システム1の判断や決定をモニター、必要ならば修正する、
    • ただし怠け者でなかなか起動しない、すぐさぼりたがる、疲れると働かない
✅ info
  • 気まぐれなシステム1と怠け者のシステム2
  • つじつま合わせに走るシステム1
  • 頻繁に誤りを犯すのはシステム2の知識や能力不足

エコンとヒューマン

  • エコン 完璧な計算能力と意思決定の力を持っている
  • ヒューマン 錯覚し、間違い、自信過剰で意志が弱い
  • 自信過剰、楽観バイアス

経験する自己と記憶する自己

  • 経験効用、何か出来事を経験した時に、人が瞬間瞬間に感じる効用(満足)
  • 記憶効用、出来事を後に振り返ってみて、出来事について感じる効用

将来同様な出来事を行うかどうか決定する時は、自分の記憶に基づいてその価値を評価して決定する。記憶が決定をほぼ支配し、実際の経験の出番は少ない。

  • 経験する自己には発言権がない
  • 記憶する自己は独裁者である



行動経済学

ときにムダなことをして満足や利益を減らしてしまう、この非合理性に心理学などの視点から光を当て、非合理的な行動に規則性を見つけ、非合理の根拠を論理的に説明する

  • プロスペクト理論
    • 損することを恐れがち。損失回避性
    • 現状維持バイアス
    • 保有効果 いったん保有したものには、その価値を高めに評価してしまい、手放して損することを嫌がる
  • アンカリング効果 無関係な数字でも、最初に印象に残った数字が後の判断に影響を及ぼす(割引セールの割引額に心動かされる)
    • 他人の判断に、自分の判断が影響される。
    • 自分の中だけでもある(無関係な数字が影響したりとか)
  • 確実性効果 ゼロや100%といった極端な数値に、過大な評価を寄せる心理。元本保証を極端にありがたがる
  • ピーク・エンドの法則 一連の体験から得られる満足感は、ピーク時と終了時の満足感だけでほぼ決まる(ピーク時や終わりの印象で、全体の印象を決めてしまう)
  • 決定麻痺 選択肢が多すぎると決めかねてしまう(シーナ・アイエンガー)



書評

ファスト&スロー ダニエル・カーネマン

・どんな内容?

行動経済学で2002年ノーベル経済学賞を受賞した本人による著作。アンカリング効果やフレーミング、プロスペクト理論などなどをどんな実験や過去研究から導き出したのかの説明と事例がてんこ盛りです。

行動経済学とは?

従来の経済学では、個人も企業も合理的に行動する、価格は消費者の満足に直接影響を与えない想定になってますが、実際にはそんなことはなく我々は非合理的な選択をすることがよくあります。こうした人間っぽい行動に規則性を見つけ、心理学の観点から論理的に説明したのが行動経済学です。

心理学や社会学、ゲーム理論等の素地がある人は「知ってた」との印象を抱きやすかったり、自分の経験則から「知ってた」と感じる向きには目新しさ感薄いです。しかしながら、主に心理学界隈では知られた知見を的確にすくいあげ、実験・調査を重ね、日常的な消費行動や市場の動きをよく説明する理論に仕立てて、従来経済学では説明しきれなかった部分を体系化した点が大きな功績と評されました。

ポイントは?

人間は完璧な計算能力と意思決定の力を持ってない。人間は錯覚し、間違い、自信過剰で意志が弱い。 人間はバイアスの塊。幾多の修羅場・経験を重ねてても、目下の状況に好都合な記憶を優先して意思決定しがち。

関連書籍は?

『出社が楽しい経済学』

サンクコストや機会費用、共有地の悲劇などの経済学用語を、劇団SETがコント仕立てで説明するNHK教育番組が書籍化。就活のエントリーシートは意味あるのか(スクリーニング)、出会い系サイトで出会いにくい理由(逆選択)、セカンドプライスオークション(勝者の呪い)といった身近な事柄で解説。経済学に馴染みがない人を想定した平易でシンプルな構成です。ちゃちゃっと概要つかめます。ミクロ経済学についてもサッと学べます。代償として行動経済学関連の記述は少ないです。

『選択の科学』シーナ・アイエンガー

ジャムの品揃えが豊富すぎると売上が下がった実験で有名。購買行動に限らず、生きてると選択の場面が多々あり、人は何をもとに選択しているのか、そのクセや背景を多くの事例から読み解いてます。生活者個人における選択の視点で描かれており、選択の方法論を身につけるのに向いてます。プロスペクト理論はほぼ出てこないです。

結論と展望

行動経済学は二重過程理論を土台の一つに据えてます。消費行動場面で説明した以下記事がわかりやすいです。 http://macs.mainichi.co.jp/space/web/046/marke.html

  • システム1(直観)は、システム2(熟慮)に常に影響します。この影響を完全除外するのは無理です。
  • が、個人でも組織でも、システム1の影響を抑えつつ、システム2で冷静に合理的に論理的に意思決定したい場面は多いです。
  • では対策法は?認知的バイアスを排除する自助努力だけでは限界があります。人間は自分の判断に過剰な自信を持ち、印象を過大に重視し、他の情報を不当に軽視するからです。

カーネマンは以下を挙げてます。

  • 人間による判断が数式で代用可能なら検討してみる(アルゴリズムへの過度な偏見を捨てる)
  • 第三者視点を取り入れる(個人でやらずに組織でやる、KKDではなくデータドリブンでやる)
  • システマティックにやる(チェックリスト使う、機械にやらせる)

システム2があれば、我々はもっとよい判断、意思決定ができるでしょう。一方で、システム1が有害なわけではありません。直観が熟慮に勝る、同等なこともよくあります。またシステム2だけでは、0から1を生み出すようなイノベーションは起こしにくいです。どちらかというとシステム1の得意分野です。発想のジャンプ、飛躍はシステム1で起きてることが多いです。という捉え方もできるでしょう。

じゃあシステム1をぐいぐい駆動させるにはどうすればよいか?例えば矢野顕子さんは、作曲をどうやってやってるかについてインプットしたものがじわじわと貯まるとそれがある日合わさって作曲できる、的なことを言ってました。作曲は誰にでもできます、インプットをしてれば、それが後のアウトプットにつながります。といった表現だった気が。つまり、システム1もシステム2もどっちも大事なのです。

(2015年7月メモ)



2012年11月29日木曜日

認知科学: 練習問題

  • 以下のそれぞれについて、そうした主張が常に正しいと言えるかどうか判断してみましょう。
  • そうした主張が間違っている可能性がある場合には、考えられる別の解釈を考えてみましょう。
  • そして誤った解釈がなされやすい理由も考えてみましょう。
  1. 息子の容姿は母親に、娘の容姿は父親に似る。
  2. 都会には美人が多い。グアムやサイパンなどのリゾート地で出会う日本人女性はスタイル美人が多い。
  3. アダルトビデオばかり見ていると性犯罪を犯すことが多い。ファミコンばかりしていると目が悪くなる。ファミコンばかりしていると成績が下がる。
  4. 公文式に通うといい大学に入れる。ブラジル留学するとJリーグの花形選手になれる。
  5. 公文式をやり遂げると一流大学に入れる。スピードラーニングを説明書通りにやれば英語が話せるようになる。
  6. 吉田兼好が「徒然草」で言っているように、木登りで足を踏み外すのは、高いところよりも低いところの方が多い。
  7. 車の事故は、遠くにドライブに出かけた時よりも、走り慣れた近所で起こすことの方が多い。
  8. 公務員には次男三男よりも長男が多い。一流会社の社長には次男三男よりも長男が多い。学者には次男三男よりも長男が多い。
  9. ここ数年、高齢者ドライバーの起こす事故が急増しているので、運転免許に年齢の上限を設けるべきである。
  10. 歩行者の交通事故は、冬の夕方に黒っぽい服を着ている場合に多い。冬の夕方に黒っぽい服を着て外を歩くのは危険である。



  1. 歩行者の交通事故は、横断歩道を渡っている時が一番多い。道路の横断は、横断歩道以外ですべきである。
  2. 信号が青の時に渡っていて事故にあった人の方が、赤の時に渡っていて事故にあった人よりも多い。青信号だからといって油断は禁物である。
  3. AB型の人は変わり者である。
  4. 東大生は勉強ばかりしていて人間性に問題があることが多い。早大生の方が東大生よりも人間的におもしろみがある。
  5. 早大生の方が東大生よりも美人が多い。
  6. 天は二物を与えない。美人は性格が悪い。美人は頭が悪い。バストの大きさと知性は反比例する。
  7. 人間誰にでもいいところがある。
  8. 私は平均寿命よりも長生きすると思う。
  9. 私は他人が考えるよりも神経質である。
  10. 江川は本当は史上最高のピッチャーである。



  1. あなたは将来双子の父親になる。
  2. あなたは神経質な面がある一方で、時々かなり大胆に行動する面ももっている。
  3. 天気予報では今日の降水確率は10%だったが、雨が降った。天気予報は外れた。
  4. 嘘はいつかはバレるものだ。
  5. 東大の合格者数は灘高校が常にトップなので、東大合格を目指す人は灘高校に行くべきである。
  6. 偉い人は一流大学出身者が多い。偉くなるには一流大学を出るべきである。
  7. 病気になったら、医学博士の多い病院に行く方がよい。医学博士の方がヤブ医者である可能性が低い。
  8. 教授の方が准教授よりも優秀であり、いい指導が受けられる。
  9. 大学は最高学府であり、日本の最先端の研究がおこなわれている。
  10. 大学教官の研究能力と指導能力は反比例する。研究熱心な先生は指導をおろそかにしがちである。



  1. リポビタンDの方が、オロナミンCよりも効き目が強い。
  2. 心理学者は相手の考えていることがわかる。教育学者は教えるのがうまい。
  3. 天文学者は毎日望遠鏡で天体観測をしている。
  4. 凍死というのは、体温が氷点下に下がって死ぬことである。
  5. 嘘つきは、嘘ばかりついている。
  6. 自分のことを天才だという奴が天才だったためしがない。
  7. ラックスを使うと金髪美人になれる。
  8. 漢方薬は中国二千年の歴史がその有効性を証明している。聖書は二千年の歴史がその内容の正しさを証明している。
  9. 酵素入り洗剤アタックは酵素の効き目で汚れを落とす。塩化リゾチーム配合のパブロンは風邪によく効く。
  10. 小久保がホームランを打つとホークスは必ず勝つ。小久保と松中とカブレラがホームランを打つとホークスは必ず勝つ。本田と香川と遠藤と長谷部がハットトリックを決めると日本代表は必ず勝つ。

2011年12月11日日曜日

認知科学: 心理学は何の役に立つ?

「決定論的な」科学と「確率論的な」科学

決定論的な科学

  • 物理学や科学のように、因果関係が必要条件や十分条件を構成するような、きちんとした現象を研究対象とするもの。
  • 例えば、一定の質量をもった2つの物体間の重力を増加させるためには、それら2つの物体をより近づけてやることが必要十分条件となる。

確率論的な科学

  • 心理学や経済学のように、一般に原因とされるものが必要条件でも十分条件でもなく、完全に予期することが不可能であるような現象を研究対象とするもの

確率論的な科学を学ぶことの利点

  • 決定論的な科学を教育するよりも、確率論的な科学を教育する方が有効である。
  • 例えば、配偶者の死去は、残された夫や妻の健康をも損ねる原因となることが多い。
    • しかし、残された夫や妻の誰もが健康障害を被るというわけではない。
    • また、まったく別の原因によって健康を損ねることもある。
    • つまり、配偶者に先立たれてしまうことは、健康を損ねることの必要条件でもなければ十分条件でもない。
    • 同様に、容姿が優れている人は、一般に他人に好まれることが多い。
    • しかし、美しい人誰もが人に好かれるわけではなく、容姿だけが他人に好かれるための条件であるわけでもない。
  • このように、ふだんの生活における現象というものは、確率論的な科学が研究対象としているような不確定性の現象なのである。
  • 言い換えると、統計学的な回帰や、標本の歪みや、統制群の重要性などが特に問題となってくる。

そこで、こうしたタイプの科学(確率論な科学:心理学や経済学)を学ぶことこそが、日常的なできごとを正しく評価するための心の習慣を育てるのに最適であると考えられるわけである。(T・ギロビッチ「人間この信じやすきもの」より)

教訓

  • 確率論的科学の有用性。
  • 心理学は、他人の心の中がわかるから役に立つのではなく、確率論的な複雑な世の中の事柄を正しく理解するための方略を与えてくれるから役に立つのである。

2011年12月8日木曜日

認知科学: 専門家が言うことは信じてよい?

  1. 専門家と言われる人が、本当にその領域の専門家ではない場合がある。
  2. 専門家の数は思ったより少ない。
  3. 専門家にもよくわからないことが多い。そもそも、科学にはまだ解明できていないことの方が多い。

心理テストが専門の心理学者の数は多めに数えても100名程度、少なめに数えると両手で足りるくらいである(村上宣寛「最新コンピュータ診断性格テスト」日刊工業新聞社 ¥1,700)

科学を学ぶことの利点

T・ギロビッチ「人間この信じやすきもの」

  • 科学的な思考過程や科学的な概念に慣れ親しむ。
  • 科学者達は常にわからないことの壁にぶつかっている。
  • 科学について学べば学ぶほど、どんなことが「解明されていない」かがわかってきて、説明されていることの多くも、暫定的なものであることもわかってくる。
  • こうしたことはどれも、物事がどうあるべきかという主張に対する健全な懐疑心を養うのに役立つ。
  • こうした一般的知的警戒心、すなわち、謙虚になって、物事を本当に知ることの難しさに気づくことこそが、科学的研究に参加することの重要な利点なのである。

教訓

  • 専門家は疑ってかかれ。
  • 専門家が本当にその分野の専門家とは限らない。
  • 本当の専門家は少ない。
  • 本当の専門家でも、わからないことの方が多い。

2011年12月7日水曜日

認知科学: 体臭恐怖を訴える患者の悩み

「この服似合う?」と聞かれて、「うわぁ、全然似合わない」と言えるだろうか?

  • 社交辞令:大人のつきあいでは、本音は言わないということ。
  • うわさ話:直接本人に言えない反対意見や批判がうっ積するのを解消するための「抜け道」として使われる。
  • ディベート:人と意見とを分離して、物事を両面から考える習慣をつけるために有効なゲーム形式の討論。特定のテーマについて機械的に賛成派と反対派にわかれ討論した後、審判が勝ち負けを決める。

討論=本音を口にする、ではない。

教訓

  • 疑問に思うことは子どもに聞け(例:おじさんの息くさい?)。
  • 他人は面と向かって反論しないものである。
  • 「逆の場合を考える」方略を用いる習慣をつける必要がある(ディベートの効用)。
  • ディベートをもっと教育に取り入れよう(でないと社会に出てから苦労する)。

2011年12月6日火曜日

認知科学: テレビは常に正しい?

東スポやテレビのワイドショーは、事実よりもおもしろさを優先させている。

  • テレビ局の大株主は電力会社である。
  • 「真実でなかったら、テレビで放送されるはずがない」
  • 本当のことはテレビでは放送されない。

本当のことのすべてが放送されるわけではない。本当のことの一部だけを放送し、他を隠匿することはセーフ、と思っているフシもある。無知蒙昧な大衆どもにわからないことを言ってもしょうがない、我々が適切に選別してあげているのである、と思っている人が今だにいる。

原子力発電に関するウソ

False True
原子力は石油に変わる未来のエネルギー 原子力で得られるエネルギーより使われるエネルギーの方が多い
原子力発電は安全 原子力発電の技術は未成熟
放射性廃棄物は安全に再処理される 「再処理」とは放射性物質の毒性を消すことではなく、さらに危険な物質を作ること
電力は不足している 電力は余っている
電力会社は公共企業であり、利潤が法律で決められている 電力会社は私企業であり、独占により莫大な利益を上げている
巨悪はマスコミが放っておかない 巨悪はマスコミを支配している

参考図書:広瀬隆「新版:危険な話」新潮文庫¥540 室田武「原発の経済学」朝日文庫¥600

  • 話された嘘と話されない嘘:大学入学の事実がないのに、「明治大学中退」と言うこと。ヤミ献金を受けていても言わないこと。
  • 誇張と省略:話をおもしろくしたり、わかりやすくするためには、誇張と省略が不可欠である。
  • 世論調査:約3,000人の調査対象を無作為抽出しておこなう調査。統計的な理論によって3,000人について調べれば、最大で±2%以内の誤差で母比率が推定できることがわかっている(推定の精度を2倍にするためには調査対象の数を4倍にしなければならない)。

教訓

  • 情報源をよく確かめよう。
  • 事実を信じ、予測は疑え。
  • 誇張と省略に目を光らせよう。
  • 生の証言にだまされるな。
  • マスコミにだまされるな。

2011年12月5日月曜日

認知科学: 牛の糞は正義の味方?

猿蟹合戦で、猿をこらしめたのは、臼、蜂、栗、そして牛の糞である(良いお話にするための改作)。

童話の原作を調べてみると、残酷な終わり方をしているものが多い。 「ピノキオ」における結末の改話など

教訓

  • 人は「良い話」をしたがる。

2011年12月4日日曜日

認知科学: ジンクピリチオン効果

「ジンクピリチオン配合」
虚心に、この言葉だけに耳を傾けなければならない。そしてそうすれば、あなたは必ず思うはずなのである。なんだか、すごそうだ。(中略)

ジンクピリチオン。この言葉から想起されることはまず第一に、何だそれ、ということである。次に、ややこしい名前だなあ、と思う。そしてついには、こんな舌をかみそうなものの名をあえて言うのだからきっとそれはすごいものなんだろう、と思うわけである。

まさしく、あなたの判断は正しいわけである。それが何であるかということはわからないし、わからなくてもいい。しかし、そんなへんてこなものの名をどうしても言わなければならなかったその理由は、それがすごいものだからなのである。もう、これが配合してあると聞いてしまった以上、人は、よいものだ、と思うしかないのである。

ジンクピリチオン配合。そう聞いたら、へへーっと平身低頭して尊敬してしまうほかはない。(清水義範「インパクトの瞬間」:「永遠のジャック&ベティ」講談社文庫所蔵)

  • グライスの会話の公準:社会言語学者グライスが見いだした会話成立のための暗黙の前提のこと。以下の4点からなる。
  1. 量の公準:必要な量の情報を与え、必要以上の情報を与えないこと
  2. 質の公準:真実だけを話し、間違いや根拠の不十分なことを言わないこと
  3. 関連性の公準:会話の目的に関連することだけを言うこと
  4. 語法の公準:明瞭に話し、あいまいで冗漫な語法を避けること
  • 一般意味論:言葉の正しい使用のために言葉の意味について論じた啓蒙運動

参考図書:ハヤカワ「思考と行動における言語」(原著第4版)大久保忠利訳 岩波書店¥2,000

教訓

  • 暗黙の前提を悪用した表現に注意する。
  • 地図は現地ではない。言葉は現実ではない。
  • 私たちは、人づての情報に対して、十分に懐疑的であるべきである。

2011年12月3日土曜日

認知科学: 妊婦になると少子化が信じられなくなる?

こんなにまわりに妊婦がいるのに。。。きっと最近出生率はまた上がり始めたんだわ。。。

(1)行動範囲、行動時間帯が変わった
産婦人科やベビー服売場で多くの妊婦に出会うのは当たり前。妊婦はラッシュアワーを避け、身体に負担のかかりにくい時間や場所を選んで外出するため、妊婦が多く出歩く時間帯ができる。

(2)興味や関心が変わった
自分が妊娠することにより、妊婦への興味関心が高まった。以前は見過ごしていた他の妊婦の存在に気づきやすくなった。

  • 総意誤認効果:ある種の信念がどの程度人々に共有されているかを推定する際に、そうした信念を自分自身が持っていると、その推定が過大になりがちなこと。
  • 認知的不協和理論:現実と自分の考えとが不協和を起こすような事態では、自分の考えの方を現実に合わせて変化させてしまう傾向を人間は持っている。
  • 自己中心的思考:もともとは発達心理学者のピアジェが言った言葉。子どもに特徴的であるが、子どもに限らず、誰でも物事を自己中心的に見てしまうものである。(利己主義とは違う概念である点に注意)
  • 唯我論:意識を持った存在は、この世に私一人であるという考え。バカげた考えではあるが、厳密にはこの仮説を否定する客観的な方法は存在しない。

1956年のドン・シーガル(Siegel.D.)の恐怖映画「ボディスナッチャー(The Invasion of the Body Snatchers)」の中では、小さな町の住民が一人また一人と自由意志を持たない完全な複製人間に変えられていく。そしてその複製人間は、地球外からの力によって操られるかのようになってしまうのだった。

しかし、ある人が自由意志を持っていないということを知るにはどうすればよいのだろうか?反対に、別の人は意思の担い手であるということを知るにはどうすればよいのだろうか?映画の主人公を悩ましたこの問題は、認知科学者にとってはさらに重大な問題である。

もちろん、外からの刺激にまったく反応しないことなど、人が意識の担い手として行動していないということの明らかな手がかりはたくさんある。しかしだからといって、こうした手がかりがどれも見られないというだけで意識があることが証明されるわけではない。

私とあなた以外のすべての人間は、火星から来た意識を持たないロボットであるかもしれない(もっとも、あなたについては私にはあまり確かではない)。(ジョンソン・レアード「心のシミュレーション」第19章より)


ジョハリの窓(Johari's Window)どれが本当の私?


教訓

  • 自分の正しいと思う意見は、自分が思うほど世間には受け入れられていないものである。
  • 人間は、自分中心に物事を考えがちである。
  • 世界は、私だけのためにあるのではない。

2011年11月29日火曜日

認知科学: あなたの運転マナーは平均以上?

大学教授の94%が、自分は同僚よりも有能であると考えている。大学教授とは有能な人ばかりの集まりなのか?

  • レイク・ウォービゴン効果:人間は、自分自身について過大評価しがちである。
  • 基準の曖昧さ:物事を判断する基準は、1つだけではない。そこであらかじめ基準を1つに決めておかないと、正しい判断ができなくなる。
  • 原因帰属:ある出来事の起こった原因についての認知。
原因帰属の4要素 個人外要因 個人内要因
制御可能 課題の困難さ 努力
不可能 運 能力
  • 人は誰しも自分が重視する特質において、自分を高く評価する。
  • 注意深いドライバーは注意深さを重視し、
  • 運転技術に長けたドライバーは技術を重視する。
  • そのどちらでもないドライバーは少なくとも自分は礼儀正しいと考え、マナーを重視する。
  • その結果、どのドライバーも自分は平均以上のよいドライバーであると評価することになる。
  • 同じようにして、どの子どもにとっても、自分が飼っている犬が近所で一番いい犬であるということになるのである。(トーマス・シェリング)

教訓

  • 「人間は自分自身について過大評価しがちである」ことを常に考慮する必要がある。
  • 定義づけが曖昧な特性ほど、レイク・ウォービゴン効果が起こりやすい。
  • 他人は外的要因を、自分は内的要因を重視しがちである。

2011年11月28日月曜日

認知科学: 風呂に入ると電話がかかってくる?

入浴中に限って電話がかかってくる。これは気のせい?それとも?

入浴中に電話がかかってこないケースとどちらが多いか。また、入浴していない時に電話がかかってくるケース、かかってこないケースと比較した場合は?

  • 一面性の出来事と二面性の出来事:「電話がかかってくるかこないか」と「試合に勝つか負けるか」、後者のような二面性の出来事はどちらもニュースになりうる。
  • 結果の非対称性:二面性の出来事であっても、結果に大きな違いがあれば、一面のみが注目されることになる。
  • マーフィーの法則:誤信を誤信とせず、むしろ目に見えない悪魔のいたずらと考えて、それに対する心構えを法則としてまとめたもの。

教訓

  • 一面性の出来事は、「起こらなかったこと」に気づきにくい。
  • 「起こらなかったことがある」ことに注意する。

2011年11月27日日曜日

認知科学: ビタミンCを飲むと風邪をひかない?

↑ノーベル賞を2度も受賞(化学賞と平和賞)しているポーリング博士の主張

  • 期待・先入観:物事を常識的に判断すること。「公文式と東大合格との関係はもっともだが、ゲームと東大合格との関係はこじつけだ」と考えたとしたら、それが先入観。
  • 基準の曖昧さ:物事を判断する基準は、1つだけではない。あらかじめ基準を1つに決めておかないと、正しい判断ができなくなる。

鼻風邪は風邪?軽い頭痛は?下痢は?関節痛は?

風邪の症状の緩和はビタミンCの効果?風邪をひく回数の減少はビタミンCの効果?

  • 物事を期待や先入観なしで見ることはできない。
  • 期待や先入観を持つことは、人間の認知の利点。
  • (コンピュータにはこれができないから、バカだと言われる)

教訓

  • 物事の良し悪しを決める基準はたくさんある。基準は厳密に決める。
  • 判断基準はあらかじめ決めておく。基準を変えた場合はデータを取り直す。

2011年11月24日木曜日

認知科学: 東大目指すなら公文式?

ヤン坊は、公文式をやっていたら東大に合格した。うちの子も公文式をやらせたほうがよい?

(1)「公文式をやると東大に合格できる」という仮説を検証

2×2分割表 合格 不合格
公文式やる ヤン坊 10万人
やらない ?人 90万人

(2)ヤン坊は、試験前にゲームやり放題だった

  1. ゲームやり放題だったから、東大に合格したのかもしれない。
  2. 公文式をやって試験前にゲームもやったから、東大に合格したのかもしれない。
  3. ヤン坊は実は土曜日の補習をサボって遊んでいた。土曜日にサボると東大に合格できるのかもしれない。
  4. あるいは、公文式をやって、試験前にゲームをやって、土曜日にサボると東大に合格できるのかもしれない。
  5. これを、上のような分割表にまとめることができる?
  • 2×2分割表:関連する2つの事柄を、「田」型の表にまとめたもの。2つの事柄の真の関連性を調べるのに有効。
  • 合致情報の過大評価:仮説に合致する情報だけが目につきやすく、記憶にも残りやすい。また思い出されやすい。
  • 統制(対照)群:ある仮説が正しいことを検証するために、比較のために調べる調査対象。
  • 欠損データ:仮説を正しく検証するには、データが足らないことが多い。

教訓

  • 不完全で偏りのあるデータの誤解釈に気をつける。
  • 2×2分割表を作ってみる。表の他の3つの部分はどうなっているんだろう?と考えてみる。
  • そうでない場合はどうなるかについて考えるクセをつける(否定語に注意を向ける)。
  • 得られなかったデータがあることを忘れない。目につきにくい情報をしっかりと掘り起こしておく。

2011年11月23日水曜日

認知科学: 人間の直観はアテになる?

事前確率と事後確率

3枚カード問題

「イベント発生前と後で確率が変化する事例」
表も裏も赤のカード(赤/赤)と、表も裏も白のカード(白/白)と、表と裏が赤と白のカード(赤/白)の3枚のカードがある。この3枚の中から1枚を引き出してみたら「赤」だった。このカードの裏も赤である確率は?

回答例:

  • このカードは「赤/赤」か「赤/白」のどちらかだから、確率は1/2!

正解:

  • 裏も赤である確率は2/3。
  • 1枚引いて赤だと判明した時点での確率を考える。引く前の確率で考えない。

タクシー問題

「目撃者の証言はどれほどアテになるか?」
ある街でタクシーによるひき逃げ事故があった。その町には2つのタクシー会社があり、それぞれ緑色のタクシーと青色のタクシーを運行させている。その町で走るタクシーの85%は緑色タクシーであり、15%は青色タクシーである。事故の目撃者は、「ひき逃げしたのは青色タクシーだった」と証言した。その時間帯のその場所でその目撃者の識別力を調べたところ、緑色タクシーと青色タクシーのそれぞれに対し、常にその80%は正しく識別できることが明らかであった。さて、事故を起こしたタクシーが証言通り本当に青色タクシーであった確率はどのくらい?

3囚人問題

「東大生でも50人に1人しか解けない問題」
「3囚人問題」と呼ばれる事後確率の計算問題がある。これは、人間の直観的判断が誤答を導くような例としてLindley(1971)が紹介した問題を、市川・下條(1986)が一部改変したもので、事後確率の変更により、数学的規範解と人間の直観的判断との食い違いがいっそう顕著なものとなっている。

いま3人の死刑囚A、B、Cがそれぞれ独房につながれている。ある日そのうちの1人だけが恩赦で助かるが、あとの2人は明朝死刑になると伝えられた。恩赦になる確率はA、Bがそれぞれ1/4であり、Cだけは1/2だというのである。

Aは看守に尋ねた。「死刑になる囚人は2人いるわけだから、BかCのうちの1人を自分にこっそり明かしてくれても私には関係ないはずだからいいではないか」

看守はAの言い分ももっともだと納得し、しばらくして「Bは死ぬ」と言った。 さて、Aの助かる確率は看守の言葉を聞いた後どうなっただろうか?

教訓

  • 人間の直観的な確率判断は誤りやすい。
  • 確率は直観に反することが多いので気をつけよう。

認知科学: 人間は論理的な動物である?

4枚カード問題(正事例を探そうとする誤り)

「母音の裏には偶数が書かれていなければならない」というルールが守られているかどうかを調べるには、次の4枚のカードのうち、どの2枚をひっくり返せばよいか?

A B 6 7

教訓

  • 「逆」は必ずしも「真」ではない。
  • 具体的な事例で考える。

2011年11月16日水曜日

認知科学: 英才教育は効果あり?

ゴルフの中島常幸は、小さい頃からゴルフの英才教育を受けたのでトッププロになった。英才教育がおこなわれていた旧京都師範付属小学校第二教室の卒業生には川喜田二郎、伊丹十三など優秀な人が多い。

  • ポストホック分析:分析のやり方をデータを見てから決めること
  • 無作為抽出:統計的な分析のために使うデータ(サンプル=標本)を偏りのないように選ぶこと
  • 英才教育:特殊な才能を伸ばすために、選抜された子ども達に、特別な教育をおこなうこと。多くの場合早期からなされることが多い。

数々の探検で死ななかった有名な探検家は、「簡単には死なない能力」を持っている?それとも、たくさんの探検をしてもたまたま死ななかったから有名になった?(初めの探検で死んでしまった有名な探検家とは?)

教訓

  • 後付けでならば、どんな説明も可能。
  • 標本抽出の歪みを、処置の効果と取り違えない。

2011年11月15日火曜日

認知科学: 強打者は足が遅い?

打力も走力も基本的には筋力であり、正の相関がありそうなのに、なぜ負の相関になるの?

同じく、入学試験も入学後の成績も同じような試験で測られているのに、なぜ入学試験の成績と入学後の成績が相関しないの?

  • 相関関係:2つの事柄の間に関連があること
  • 因果関係:2つの事柄の一方がもう一方の原因であること
  • 偏相関係数:2つの事柄の関連の程度が、それぞれに相関する第三の事柄に影響を受けている時、その第三の事柄の影響を取り除いた場合の相関係数
  1. 打力と走力が負の相関関係を持つわけ
    • <事実>打力と走力とは正の相関がある
    • しかし、プロ野球界で活躍している選手だけを考えると、打力+走力=一定以上、というような条件が働くため、標本に偏りができる
  2. 入試成績と入学後の成績が相関しないわけ
    • <事実>入試成績と入学後の成績には相関がある
    • しかし、合格者だけを調査対象にしてしまうと、標本に偏りができる

教訓

  • 相関関係を調べる時は、標本(データ)に偏りがないかに注意。
  • 相関関係は因果関係ではない(薬を飲んで病気が治っても、薬のせいで治ったとは限らない)。
  • 第三の要因があることを忘れずに。

2011年11月14日月曜日

認知科学: 悪い子には叱った方が効果的?

登校時間が遅い子は、叱ることで登校時間が早くなる? それとも叱ることや褒めることと、登校時間の遅い早いは無関係?

サイコロを振って、大きい目を出すことを目標とし、出た目が小さいと叱る、大きいと褒める、と置き換えてみる。

すると、サイコロの出目と賞罰(褒める叱る)が無関係なことに気づきやすい。 気力でサイコロを動かすことはできないことがわかりやすいから。

人間だってこれと同じ場合もある。 あなたが褒めようが叱ろうが、子どもの登校時間は早くも遅くもならないかも。 賞罰と登校時間には何の関係もないかもしれない。

教訓

  • 叱ることの見かけの効果に惑わされない(何事にも回帰的部分がある)。
  • 回帰のために起きた変動を、はたらきかけの結果と考える過ちに気をつける。

2011年11月11日金曜日

認知科学: 2年目のジンクス

プロ野球では、新人王をとった選手の翌年の成績は悪くなる、と信じられている。 また、Sports Illustratedの表紙を飾ると、(短期的に)成績を落とす、とも言われているが果たして?

回帰:2つの関連する事柄の一方からもう一方を予測する時、その予測値は平均に近いものとなる傾向があること。

1年目の成績が平均よりも飛び抜けて高いと、2年目の成績は下がる(平均に近づく)場合の方が多い。

ただし、必ず回帰するわけではない。前年の成績を維持、向上できる選手がいることもまた事実。とはいえ絶対数は少ないことから、ジンクスが生まれる。

教訓

  • 極端な値のその後の予測は、(平均に近づくことが多いから)控えめにすべき。
  • 統計的な回帰現象が起こりやすいかどうかを理解しておくべき。