2015/9/22(火)
二人で同じ花を見るとなぜ美しいか?
共同注意と美感
北山修
共同注意: 2人以上の人(例えば、乳幼児と養育者)が、同じ対象物や事象へ一緒に視線や注意を向けており、そうであることを互いに認識している状態
サイモン効果
横澤一彦
- 刺激の位置と、反応の位置が一致しない場合に、反応速度や正確性が低下する現象
- ストループ効果: 刺激の色と意味が矛盾する場合
- 隣にいるだけでは相互作用は起きない、ともに課題に取り組むことが大事
色嗜好は文化によって異なりそう。美感も異なりそう
- アメリカは高彩度が好き
- 暗い赤はクランベリーだから好き
- モノの好き嫌いでほぼ説明できる
- 日本は高明度が好き
- 暗い赤は血を連想するから嫌い
- モノの色だけでは説明しきれない
- 色から抽象的イメージを想起している(白い恋人 青い初恋)
ヒトの共視の発達とその進化的基盤
明和政子
- 見つめることは威嚇
- ヒトと大型類人猿ではポジティブな意味合いも
- 新生児模倣
- 生後2ヶ月でいったん消失
ヒト特有の心の働き
- 加齢とともに自動的に出現するわけではない
- 共に思うこと、を確認、共有する機会を豊かに提供する、ヒト特有の養育環境、これは進化の産物
- 養育者による足場作り
- 乳児が何をしようとしているのかを敏感に読み取り積極的にそしてたぶん無意識に手助けする
- 他個体の快情動にまで共感するヒトの特性
ベイズと認知発達入門
ベイズ推定とは何か? ベイズの定理を利用してパラメーターを推定する
- 事前分布 データを入手する前に、我々が持っている母数に対する信念
- 尤度 パラメーターの値を仮に○とした時に、手元にあるデータが得られる確率
- 事後分布 データを入手した後の、更新されたパラメーターに対する信念
- 規格化定数(周辺尤度) 推定したいパラメーターに対する情報を持っていないので、きほん無視する
ベイズ推定の利点
- 事前の信念を分析に組み込むことが可能
- 例)分散は負にならない→不適解を防ぐことができる
- データ収集前に持っていた情報分析を組み込むことが可能
- 例)有意でなかった過去結果→最尤推定法などでは推定できないモデルも推定することが可能
- サンプルサイズが小さくてもよい
事後分布が出力されて終わりなので、点推定として平均値を算出するか、区間推定として両端2.5%を切り落として記述する
グラフィカルモデル(生成モデル)
- 確率変数の依存関係をグラフであらわしたもの
- 観測される情報が作られるプロセスを確率的に変動している
- 適切に定義するとデータから教師なしでパラメーターの推定が可能
- モデルのパラメーターをギブスサンプリングで学習
- ベイズ推定により計算した未観測変数の事後確率を利用
- これにより複雑なモデルであっても容易に学習可能
東洋的思想の心理学への展開
春木豊
2015/9/23(水)
隣接領域から見た心理学界
建築学からの視点
久野覚
- 寒暑涼暖、生死に関わるのに取り上げてくれてない
- 統計検定には次元を絞る必要がある
- 建築では元々多様性を認めているので、一意に決まらなくてもい
- 理由は不要、いろんな人がいるという状況がわかればいい
- 仮説発想的(仮説検証型ではない)データ探索型
- 一つに凝り固まらないであれこれやったほうが発想が豊かになるんじゃね?
法学から見た心理学
木下麻奈子
- 学際領域を研究してれば両方の通訳ができる
- 変数の扱い方が異なる
- 心理学では人間の行動が説明変数
- 法学では法規範が説明変数
キティージェノビーズ事件での例
- 心理学は人の行動・心理の側面から考える
- なぜ助けないのか
- どんな特徴の人が助けないのか
- 法学は制度の側面から考える
- 救助した時に責任を問われないようにする
- 救助しなかった場合に罰を与える
それぞれの学問で何を説明変数にしているのかということ自体に気が付いていない
「社会」の意味が異なる
- 心理学で扱う社会は、個人に投影されたミクロな社会である
- 制度としての社会でありマクロなものとして扱う
- 現実社会の仕組みを知らないのではないか?
- 抽象化することは研究上必要だが、本質から離れて抽象化するのは問題が多い
「法」の意味が異なる
- 心理学では法とは法律のことを指す
- 法学では原則的に法は法律だけでなく、社会規範も含むもの
- インフォーマルルールを専ら扱い、フォーマルルールである法律を扱わない
- 法律は現実社会で強制力が担保されている強力な規範なので、扱わないとアンバランスになる
法学と心理学がコラボするための条件
- 実社会の勉強が必要
- 人間と法の両者の共変動を扱うことができれば本当の学際研究となる
医学から見た心理学界
井口善生(精神医学、神経科学)
- 基礎と臨床の往還的な思考が少ない
- 臨床心理学者の基礎研究への参画を促す環境整備が必要
- 他分野の下請けにならない
- 行動解析のプロになれ
- コミュニティの外側を見据えた情報発信
- 心理学を専攻しない研究者があなたの論文を読むことを意識しろ
デザインから見た心理学界
牧野暁世
- デザインは問題解決のための一手法である
- 良い見てくれだけではない
- 必然性があるデザインは良いデザイン
- 自由とは必然性の洞察である by ヘーゲル
- いろんな学問のプラットホームとなれるのが心理学のいいところでもあるんだけどね
日本における数理心理学の展開
浅川伸一
ディープラーニング解題
- 認識・処理過程が人間と機械と同じと考えるか別物と考えるか
- 機械学習の進歩、アルゴリズムの進化、ハードウェア(計算速度)の進化
広田すみれ
- 確率を伝える
- リスクコミュニケーション
- 確実性
- 不確実性 リスク(確率で記述可能)、曖昧性、多義性
- 不確定性原理とかカオスとか無知じゃないけど不確実なものもあるよね
- 無知性
主観と客観
- 認識論的確率(主観的)
- 気象予報の確率、1回の事象についてのことなので古典説や頻度説では常に確率が算出できるわけではない
- 天文学、力学、高級科学
- 錬金術、医学、低級科学に関連した臆見に属する
- 正統な人や権威者が是認している、蓋然性が高い
- 1回事象についての認識論的確率
- 客観確率(頻度説、傾向説)、偶然的
- 世界がどのようであるか
二重過程理論の応用
教育心理学への応用
島田英昭
共感の事例
- 理解と行動は別物かも?
- 理解しても行動には結びつかない
- 理解できなくても行動する
臨床応用
鈴木俊太郎
ソリューション・フォーカスト・ブリーフセラピー(SFBT)
問題の原因追求ではなく、クライエントの強みや「解決された未来」のイメージに焦点を当て、短期間で解決を図る心理療法
犯罪予防行動の促進
島田貴仁
犯罪予防の情報発信において、二重過程理論からすると、
- 感情システム(システム1)には、犯罪「事例」が効きそう
- 論理システム(システム2)には、犯罪にまつわる「知識」が効きそう
知識、事例、知識+事例
- 募金詐欺のような1回だけのだと「事例」訴求
- ひったくりだと「知識+事例」訴求
- 時間が経つと「知識」も「事例」も減衰する(定期的に発信する必要ある)
- 事例は著しく減衰する(システム1は忘れんぼだから?)
教育 臨床 社会
及川昌典
本当にわかってる?(教育)
- 知識を教えることはできる
- 頭では理解したつもりになっている
- 知恵を育むことは難しい
- 腑に落ちない
- 応用できない
- わかってないのと同じなのでは?
本当にわかってる?(臨床)
- 患者は自らの状態を雄弁に語る
- しかし自己報告はあてにならない
- 内省の限界
- 記憶の歪み
- 希望的観測
本当にわかってる?(社会)
- 人の賛同は得られる
- しかし行動を変えることは難しい
- セルフコントロールの問題
- 論より感情、個人より環境にはたらきかけるべきか?
- それで社会は納得するだろうか?
人間の行動理解
北島宗雄
two minds(二重過程理論) 特性時間 bandがそもそも違う
ハーバート・サイモン Herbert Simon
サイモンの蟻
- 人間や組織の行動を説明するためのたとえ話
- 複雑に見える行動も、実は単純なルール(行動様式)が複雑な環境と相互作用した結果に過ぎない
- 砂浜を歩く蟻は複雑な動きをしてるように見える
- 蟻の目的はシンプル、ただ巣に帰りたいだけ
- 環境は複雑(砂浜は小石や障害物がたくさんある)
- だが蟻は障害物を避けるという単純なルールで移動してるだけ
- 蟻の行動が複雑に見えるのは、蟻の頭の中が複雑だからではない
- 砂浜という「環境」が複雑だから
限定合理性(Bounded Rationality)
- 人間は合理的であろうと努めるが、
- 情報・時間・認知能力の限界により「完全な合理性」は持ち得ないとする概念
満足化原理(Satisficing)
- 人間が「限定合理性」に基づき、全知全能ではない中で、
- 最大化(最適化)ではなく「ある程度の目標を達成できた(満足できる)時点で決断する」意思決定行動
- 時間や情報が限られる中、探索コストを減らし、早期に意思決定を行うための効率的なアプローチ
つまり、
- 人間の行動は、やってることは至ってシンプル、
- 環境が複雑なだけ なのでは
時間軸で考えると
- before システム2
- before システム1
- event
- after システム1
- after システム2
2015/9/24(木)
脈波のカオスは心理学に何をもたらすのか?
生理反応・心理状態・コミュニケーションを探る
鈴木平
相互作用するカオスから全体性の科学へ?
- 学術用語としてのカオスは、一般に使われる混沌・無秩序とは違うよ
- まったく予測できないわけではない
- 一定の範囲内の値をとることはわかる、ただその中のどの値をとるかを予測するのが大変
- 一見、決定論的、確率論的に見えるが、初期値鋭敏性などもあって長期予測が困難、人間にはほぼ無理
- 非線形であるからといって多次元多自由度とは限らない
- 部分と全体を切り離さない
- 非線形で相互作用だらけの全体から一部を切り取って線形的に眺めてるのが従来の手法といえそう
- コンピューターが進化してくれたからこそ今ようやくできるようになってきた
吉田暁
脈波のカオスと情動、自律神経活動との関連
岡林春雄
- ヒトの心理、行動は時間の流れに沿って変わるもの
- staticではなくdynamicなものなんだよ
計算科学と心理学
白宇 鈴木麗璽(れいじ) 大平徹 大平英樹
- 搾取と探索にはけっこう越えるのが大変なヤマがある
- これをどうやって乗り越えてもう一つの選択をしてるのか?
- ノイズと遅れがあるおかげで搾取ばかりでなく探索の選択ができるのかも?
- ノイズや遅れがないともう一つの選択が発生しない
- 大きすぎるとしょっちゅう発生する
- ノイズと遅れは身体から発せられてるのでは?
0 件のコメント:
コメントを投稿