2015年12月26日土曜日

誤った情報を正すための 3つのコミュニケーション術

http://www.dhbr.net/articles/-/3402

デマを払拭し誤解を正すことは、なぜこれほど難しいのだろうか。それには4つの大きな理由があると思われる。
1.事実をもって反証を試みても、奏功しないどころか逆効果になる

1979年にスタンフォード大学のチャールズ・ロードらが行った画期的な研究では、人間は事実に基づく科学的な証拠によって自説の間違いを示されると、ネガティブな反応を示すことが判明した。自分が持っている考えと一致する証拠だけを受け入れるこの現象を、ロードは「確証バイアス」と呼んだ。

事実や証拠をもとに主張されると、人間はそれらを拒否または無視する傾向がある

「バックファイア効果」というさらに危険な傾向を実証している。実験では、誤りを指摘された人々はその誤認をさらに強めた


2.デマへの言及を繰り返すことで、そのデマを期せずして広めてしまう

3.相手を肯定することは効果的だが、実行は難しい

4.ストーリーの力を常に過小評価してしまう
オーストリアの心理学者フリッツ・ハイダーは1940年代に、今ではよく知られた研究を通じて、物語を作ることの重要性を明らかにした。

ハイダーは、2つの三角形、1つの長方形、1つの円だけを用いたシンプルで短いアニメーションを制作した。
これを見た被験者は1人を除き全員が、図形の動きから恋愛やいじめを描いたドラマの筋書きを読み取った。人間にはストーリーを欲する傾向があり、それがない場合には自ら作り出そうとする。

「身元の分かる被験者効果」identifiable victim effect
個人の感情的なストーリーを繰り返すことで、特定可能な個人に対してなら強く共感されるという心理的・社会的な現象

「誤解を正しても、ストーリーの形跡を残していては不十分だ」と指摘している。元のストーリーにとって代わる、信頼できる新たなストーリーを作り出さねばならない。

誤った情報を繰り返して発信しないこと。説得力のある、前向きなストーリーを利用すること。情報は多ければ良いとは限らないと心に留めておくこと。


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