トロッコ問題
- 電車がまっすぐ行ったら5人死ぬ
- 右にハンドル切れば1人死ぬ
トロッコ問題その2
- 橋の上に男性がいる
- 押せば5人→1人ですむ
どちらを選択するか
- 多くの人を救った方がいい
- 無実の人を殺すのはいかんだろう
- この相反する原則に板挟みになる
功利主義 最大多数の最大幸福か、それともリバタリアニズム、個人主義、自由原則か
功利主義
utilitarianism
功利主義が用いる判定基準
- 社会の構成員が享受する幸せの大きさを合算した値
- この値が最大化される社会がもっとも望ましい社会
- だから、最大幸福原理、5人じゃなくて1人ですむ方を選択という発想になる
功利主義の魅力
- 人間中心の思想
- 功利主義が大切にするものは、生身の人間の幸福だけ
- 「民族の栄光」も「世界精神の実現」も「超人の誕生」も功利主義のあずかり知らぬ世界の話
- 平等の思想の基準
- 最大幸福原理は、富める者も貧しき者も、賢き者も愚かなる者もすべて同じ一人としてカウント
- ベンサム談、すべての者を一人として数え、誰も一人以上に数えてはならない
- 自由主義に立脚
- 人々が幸福を感じる対象の価値に序列をもうけない
- 何に幸福を感じるかは一人一人が自由に決めること、他人がとやかく言うことでない
功利主義の弱点
- 最大幸福原理を機械的に用いると、理不尽な権利侵害が許容されてしまう
- 異なる人間の幸福の大きさを比較することの難しさ
リバタリアニズム
libertarianism
リバタリアニズムが用いる判定基準
- 自己所有権(Self-Ownership)の尊重
- 自分の体、時間、才能、そこから得た成果(財産)は、100%自分だけのもの
- この自由な権利が他者に侵されないのがもっとも望ましい社会
- だから、5人のために1人を犠牲にするのは許されないという発想になる
リバタリアニズムの魅力
- 徹底した個人の尊重
- 社会全体の利益のために個人が「道具」として扱われることを拒否する
- 「自分自身の人生の主人は自分である」という強い肯定感
- 国家の強制からの解放
- 自分が望まない限り、他人のために働かされたり、税金として無理やり奪われたりすることのない、究極の自由を追求
- 多様な生き方の許容
- 他人に迷惑をかけない限り(不干渉原則)、どんなに風変わりな生き方をしていても、国家や他人がそれを止める権利はない
リバタリアニズムの弱点
- 「持たざる者」への冷徹さ
- 再分配(税金による福祉など)を「強制労働」とみなして否定するため、自力で生計を立てられない人への公的な救済がなくなってしまう
- 公共財の維持の難しさ
- 道路、警察、防衛といった「みんなで使うもの」まで全て個人の自由や市場に任せると、社会の基盤が維持できなくなってしまう
原理主義(道徳的・宗教的原理主義)
Fundamentalism / Perfectionism
原理主義が用いる判定基準
- 絶対的な価値・教義(ドグマ)の遵守
- 「善き生き方」はあらかじめ決まっており、それに従うことがもっとも正しい
- 社会の幸福や個人の自由よりも、「宗教的真理」「伝統的な道徳」「共同体の美徳」を守ることを最優先
- だから、たとえ大多数が望んでも、あるいは個人の自由であっても、教義に反することは「悪」として禁止する発想になる
原理主義の魅力
- 揺るぎない価値観の提供
- 「何が正しくて、何が間違っているか」が明確なので、迷いが生じにくい
- 社会の中に強い連帯感や帰属意識を生み出すことができる
- 「正義」に意味を与える
- 功利主義のような損得勘定ではなく、「それは人間として高潔か?」「神の意志に叶っているか?」という、より深い(とされる)次元で物事を判断できる
- 歴史や文化の継承
- 先人たちが守ってきた伝統や秩序を大切にするから、流行に左右されない安定した社会の骨組みを作ることができる
原理主義の弱点
- 不寛容と排他性
- 自分の信じる「真理」が絶対なので、それを受け入れない他者や少数派を排除したり、厳しく弾圧したりする
- 変化への脆弱性
- 科学の進歩や社会環境の変化があっても、古いルールを絶対視するあまり、現実とのギャップに対応できなくなる
(2010年8月メモ)
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