existentialism
ドイツ語のexistenz(存在)が語源。日本語訳は現実存在だったが、哲学者の九鬼周造が「実存」という言葉を使い始めて浸透。
世間の倫理や道徳よりも、今ある自分の方が大切。
人間はこうあるべきとは誰にもわからないのだから、あれこれ悩まずに自分が思ったように行動すべし。
フランスの哲学者ジャン・ポール・サルトル「実存は本質に先立つ」
無神論の立場から、もし万物を創造した神が存在するのであれば、すべてのものには神が創った理由(本質)がある。しかし逆に神がいないとすれば、あらゆるものは本質を与えられないまま、ただそこに存在している。つまり実存が本質に先立つことになり、本質は後から作られたことになる、これが人間の置かれている状況だと主張。
人間は最初から何かを成すために生まれてきたのではなく、何を成すべきかは、生まれた後でその人が自分自身で選び取っていくもの、自分で判断して行動する、その積み重ねが「人間の本質」である
自分が選んだ行為は、自分が選んだというだけで十分価値がある。なぜならそれがその人にとっての「人間の本質」の答えだから。人間は本質的に自由であり、その行動に規定はない。
ただし、行動は自由だが、そこには全人類への責任がともなう。
例えばあなたが詐欺で大金をせしめたとする、それを知った人が自分も詐欺で金を得ようと思うかもしれない。つまりあなたの選択は自分だけでなく、全人類に影響を与え得る。だから、何かを選択することは、全人類への責任を伴う。
自由であるということは、同時にそれだけ重い責務を負うことでもある。
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