犯罪捜査の認知心理学
越智啓太
認知心理学とは
人間の記憶や思考、言語などの認知プロセスを科学的に解明する
認知心理学を犯罪捜査に最初に用いたのは
カール・グフタス・ユング
言語連想検査を使えばイケると思ったらしい
反応語と反応時間で判定する
弱点:被検者効果が出やすい
江戸川乱歩「心理試験」
一般用語を使用することで回避できそう
反応語と反応時間で判定するだけではちょっと心もとない
リッケン
CIT(GKT)を開発
ポリグラフ検査
脈拍などを計測する
カラダに出る再認テスト
情動が高まると吸えなくなる(呼吸が)
顔面サーモグラフィによるウソ発見
ドキドキすると毛細血管が収縮する
顔にいっぱい毛細血管がある
血が通らなくなる→温度にあらわれる
瞳孔サイズを用いるのもある
呼吸器検査なんかはちょっとぐらい動いても大丈夫
fMRI
うるさい
でかい
高い
20分じっとしてないといけない
犯罪捜査には使いにくい
NIRS
4000万円
脳の表面付近の血流だけが計測可能
再認くらいはいけるかも?
犯人=犯行の記憶を持っている人
だから認知心理が使える
防災の認知心理学
邑本俊亮
むらもと
災害時の認知バイアス
これくらいは普通だ
物事をふだんの範囲内で理解したい
正常性バイアス、正常化の偏見
自分だけは大丈夫
他人よりも自分の方が運がよい、と思いたい
(比較)楽観主義バイアス
前回大丈夫だったから
記憶の中で思い出しやすい情報に影響される
利用可能性ヒューリスティック
みんなと一緒に
他人に同調していれば安心
集団同調性バイアス、多数派同調性バイアス
~があるから大丈夫
自分以外のモノに頼りきってしまう
ハードウェアバイアス
ふだんは心理的安定に役立っている
しかしいざというときには逆効果
二重過程理論
直感的思考(システム1)
無意識的、すばやい、直感的
熟慮的思考(システム2)
意識的、遅い、熟慮的、論理的
緊急時には熟慮的思考は働きにくい
談話理解における既有知識の役割
太郎のレストランの話
太郎はレストランに入った。ステーキを注文した。
太郎は満足して店を出た。
食べた、お金を払ったという記述はなくとも、
そうしたんだろうと文脈から勝手に解釈する
発達プロセスの認知脳科学的解明
乾敏郎
予測と自己モニタリングシステム
like-meシステム 共有する表象
different-from-meシステム 他者のこころを読む
自閉症の脳内メカニズムと病因論
マグノセル
でかい早い
すぐに高次中枢までいって低次中枢でパルボセルと出会う
パルボセル
小さい遅い
自閉症の人は
マグノセルの組織化がうまくいってないから
絵のように物事を捉えてるから
隠し絵とか余裕
レインマンとかふつう
small world network
脳は近いところ同士でたくさんつながってるが
長いところ同士でつながってるのもあって
これが役立つ
自閉症はlocal networkが多すぎる
強すぎる、過敏なぶん
コミュニケーションがうまくいかない
たいが
妊娠3週まで
神経かんのときの異常がいろんなところに影響してるのでは?
自閉症スペクトラム
オキシトシン3ヶ月くらい投与で(自閉症の一部の機能が)改善した、という報告が最近あったらしい
平滑筋を収縮させる
子宮筋
GABAスイッチング
胎児興奮
大人抑制
「お客様」の心をつかむ商品開発
熊田孝恒
製品やサービスを利用しているときのお客様のこころを知る
これに認知心理学が役立つ、だろう
お客様は本当にニーズを知っているのか?
ニスベットとウィルソンの研究
4つのストッキング
品質がよいものを1つ選んでもらう
なぜそれを選んだのか理由を聞く
実際は全部同じ製品
右端選択率は左端の4倍
しかし理由で場所と答える人はいなかった
編み方がー薄さがーと答える
自分の行動や決定に関わる認知過程のはたらきを意識できない。
理由を問われると、もっともらしい回答をする
お客様がニーズを十分に把握しているとは考えにくいがさて?
心の中で起きていることを科学的に解明することに
認知心理学は貢献できる、だろう
認知機能は年齢とともに平均は低下し、
同時に個人差は大きくなる
すべての認知機能がいっせいに低下するわけではない
いろんなパターンがいる
なので年齢カットではなく、パターン別に
駅での行動をもとに、「わかりにくい」を改善しないといけない
注意機能低下、作業記憶低下、プランニング機能低下
注意機能低下群
直接目標物を探す
案内サインからは情報を取得しない、
過去の経験や駅の一般的な構造に関する知識を利用する
頻繁に情報を取得、確認はするものの、
同時並行に情報を得ることは難しい
(そもそも見てない)
プランニング機能低下群
案内板を見ることもあるが目的が不明確
具体的な情報を得られないことが多い
(見てるけど活用できてない)
他者のこころの認知と集団規範の生成
「暗黙のルール」はいかにして生まれるか
村本由紀子
多元的無知による規範の維持過程
集団内の人々が一定の心理・行動傾向を示すとき、その規定因となるのは、
個々人に内面化された価値や信念ではなく、むしろ、それらの価値や信念が
周囲の他者に共有されているという考えである
知覚された合意
(2014年10月メモ)
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