哲学は机上の学問ではない、空想世界のものではない
市民が暮らす現実社会にこそ必要
差別はどんなときも正義に反することなのか
収入や富の格差とどのように向き合えばよいのか
国境をめぐる問題をどう考えるべきか
民主主義の力が試されている
では移民の受け入れ、断る権利はあるのか?
文化面での影響、経済面
親の遺産を受け取る権利はあるのか?
国境の概念は?
出国を制限する権利はあるのか?
帰属意識は?以前の国か?今の国か?
愛国心
市民が暮らす現実社会にこそ必要
差別はどんなときも正義に反することなのか
収入や富の格差とどのように向き合えばよいのか
国境をめぐる問題をどう考えるべきか
民主主義の力が試されている
1.移民
難民の受け入れ、断る権利はあるのか?では移民の受け入れ、断る権利はあるのか?
文化面での影響、経済面
親の遺産を受け取る権利はあるのか?
国境の概念は?
出国を制限する権利はあるのか?
帰属意識は?以前の国か?今の国か?
愛国心
2.AIは最適な恋人を探せるか
AIは完璧なマッチングができるのかもしれないが我々人間はそれを望んでいるのか人間の医師とAI医師のどちらに手術してほしいか
感情で動くからこそ人間に手術、延命措置してほしいのでは
自動運転にどうプログラミングするか
AIはコメディアンになれるか
死んだ人のデジタルアバターを作ることは?
冷や汗、心地悪さ、不完全さが人間には必要なのでは?
3.人を見た目で選んでもいいのか
どんな場合でも差別は正義に反するのか人種差別と見た目による差別は同じか違うか
特定の人種を優遇的に採用することは許されるか
あとに続く人への道を開くことにもなるのではないか
特定の人種にだけ職務質問するのは許されるか
空港のセキュリティーチェックでの差別は許されるか
差別を受けると社会に対する信頼が薄れる
より多くの機会を与え、より多様な社会を作り出す優遇的差別なら許されるのではないか
アリストテレスのいう正義の定義「人間を平等に同じように扱うこと」
真の議論は、平等とは何か、同じようなとはどのような点においてなのか、それを決めようとするときに生じる
その答えは経済的原理によって決められるべきか
差別に関する議論は簡単だと言われることがある
なぜならほとんどの人は差別には反対だし、人間は平等に扱われるべきだと考えているからだ
ところが実際に難しい選択、困難な決断に直面したとき、私たちはそれぞれに問い直すことを迫られる
そもそも目的とは何か、その目的を達成するために私たちのどんな人間性が問われているのか
どんなチャンスが広がり、なにが障害や犠牲になるのか
どんな差別が不当でなにが妥当な差別なのか
4.ロナウドの年収は高すぎる?
ロナウドが教師の2000倍稼ぐのは公正なのか才能への評価なのか努力への評価なのか
希望が、問題は社会の不平等にあることを見えなくしている
社会が評価するのは努力だけではない、才能や素質もではないか
生まれつきの才能、つまり運がその人の収入を左右するのは正義や公正に反することなのか
レースの勝者は道徳的にも勝利に値するのか
実力主義社会は貴族社会よりも公正といえるのか
偶然、才能を持っていること、偶然、その才能が称賛される社会であること、両方揃ってたからロナウドがいられる
もしあなたが金持ちだったら実力社会と偶然社会どちらを選ぶか
金持ちのときは実力社会がいいという、達成感や満足感、誇りを自分に感じたいから
一方、収入の低い恵まれない立場だったら、実力社会には住みにくさを感じるだろう
今、社会から取り残されると感じる人々は、社会の不公平さだけに不満があるわけではない
自分が尊重されていないと感じる
収入が低く質素な生活を送っているのは努力が足りないからだ、他の人ほど価値がないからだと言われてるように感じる
社会が実際に不平等であるという状況に加えて、それぞれの人に与えられた地位は本人の努力で決まるという考え方は地位が高くない人々にとってはとても腹ただしく感じる、屈辱的でさえある
このように実力社会は所得や富の分配からだけでなく、人間の尊厳からも問題となる
社会はすべての人にそのはたらきに見合った敬意を払えているのか
古代ギリシャの政治哲学者は、分配的公正(配分の正義)について話し合った
議論の中心は所得や富についてではなかった、社会的な役割や義務、名誉などについてであった
その議論は今も続いている
配分の正義は単に市場が求める価値や公平さだけの問題ではない
人の名誉や尊厳に関わることでもある
公正な分配をどうおこなうべきか、現在の民主主義社会の根底にある課題の一つである
5.プライバシー
警察は病院のDNAデータベースを利用していいか全国民のDNA情報の登録を義務づける制度に賛成するか
保険会社に自分の情報を提供して値引きを受けるか
Uberが乗客の情報を公開するのはプライバシーの侵害か
プライバシーには固有の価値はあるのか、同意があればいいのか
正しい同意さえあればプライバシーの侵害とは存在しなくなるのか
エリック・シュミットがプライバシーの問題について質問されたときの答え
あなたが誰にも知られたくないと思っていることは、そもそもそれをやること自体が間違いだったのではないですか?
ネットの個人向け広告はプライバシーの侵害か
自分のプライバシーで最も重要な問題は、見た動画?読んだ本?行った場所?
古代ギリシャ、ソクラテスの時代、プライバシーが問題になることはなかった
公の領域と個人の領域が区別されていたから
公の領域、すなわち民主主義により価値を置き、実践を進めた
個人の領域だけで生きる人々をイディオティスと呼んだ、これが愚か者イディオットの語源となった
イディオティスは市民社会への参加を果たしていないと考えられていた
だから古代の人々にとってプライバシーとは軽蔑の対象だった
ところが現代では重要な価値を持つ難しい課題となっている
プライバシーとは何か、なぜ重要なのかを説明するのが難しいのは、それが二次的な役割を担っているから
公平な社会、自由な社会、民主主義的な社会を求めている、でも誰もプライベートな社会を求めてるとはいわない
プライバシーはなにかしらの脅威に対抗するための価値をもつものだから
高圧的で独裁的な国家からの脅威、市民を監視し反乱の芽を摘み取ろうとする国家からの脅威、
なにかを売りつけようと私たちの動向を常に見続ける企業や調査会社、ソーシャルメディアからの脅威かもしれない
現代はDNAとビッグデータの時代でもある
民主的な社会に生きる市民にとって、プライバシーの意味を広く議論し、
私たちをなにから守るものなのかを考え続けるのが重要
公正な社会とは何か、平等とは、市民の義務や人間性の価値とは何か
たとえ全員が同意する結論にたどり着かなくても大切なことを教えてくれる
それこそ公共性の精神、お互いへの敬意の重要さである
ときに激しい意見の対立が起きたとしても、公の場で議論を交わすことで民主的な社会に生きる市民としての資質が養われていく
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